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2010年6月25日 (金)

前期総括:筑波大学編

関東大学サッカーリーグの前期が終了したので、各チームの前期総括と行きたいところですが、実は順天堂大学と神奈川大学は見る機会が無かったので、この2校以外の10チームのみですが、これから不定期で、その戦いを振り返ろうと思います。

で、1回目は前期リーグを1位で折り返した明治大学から…と言いたいところですが、最終節で4位に滑り込んだ筑波大学から行ってみたい。

前期成績:4位
5勝3分3敗 勝ち点18
得点18、失点15、得失点差+3

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筑波大・基本フォーメーション

ーーー瀬沼ー赤崎ーーー
ー上村ーーーーー小澤ー
ーー八反田ーー森谷ーー
原田ー谷口ー須藤ー○○
ーーーー三浦ーーーーー

開幕当初から、ほぼ不動の布陣ではあるものの、右サイドバックのポジションだけは、不安定なままリーグを戦い続けた筑波大。他のポジションではレギュラーが固定化されるなか、右サイドバックだけは、なかなか風間八宏監督のメガネに叶う選手が出てこなかった。開幕当初こそ、堀谷順平(4年)を起用し続けてきたが、5節以降、試合ごとに長沼、堀谷、石神、中尾と日替わりにようにスタメンが替わり続けた右サイド。

決してこの4人の選手のスキルが劣るわけではないのだが、完璧主義を貫きたい風間監督にとって、結局のところ最後まではまった「ピース」を見つけられずに終わってしまった格好である。

さて、全体的なチームの流れについて入っていこう。

以前から書いていることだが、今年の筑波大は優勝候補の一つに挙げられていた。これは私が推すというよりは、他の大学の監督が「最も注意すべき相手」に筑波を挙げ、その高い攻撃力故に優勝候補と名前が挙がっていた。

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昨年、1年生ながらエースとして頭角を現した瀬沼優司(2年)、小柄ながらも、小気味良い動きで攻撃のリズムを作る小澤司(4年)、中盤の底でゲームメークする森谷賢太郎(4年)、そして切れ味抜群のオーバーラップが自慢の左サイドバック・原田圭輔(4年)と、高い攻撃力を生み出すタレントが揃い、開幕前から風間監督は手応えを感じていた。しかし、監督が「手応え」を感じていた原因は、上級生の経験の積み重ねによるものだけでは無かったのだ。

それは、赤崎秀平(佐賀東卒)、谷口彰吾(大津高卒)、玉城峻吾(三菱養和SC)、上村岬(磐田ユース)、神舎宏(広島皆実卒)という、大舞台を経験している新1年生たちの「可能性」があったからである。

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今年の1年生たちは、これまでの新入生とは大きく違っていた。確かに、ユース年代で大舞台を経験した選手も多く、スキルは最初から高い選手ばかり集まっていた。しかし、風間監督が注目したのはスキルの高さではなく、自分たちがやるべきこと、監督が意図することを、首脳陣が教えなくてもそれを自分たちで理解し、実行できる点であった。

風間監督は「オレはさあ、サッカーは楽しむものであり、自分で考えてやるものだと思っている。人にやらされてやるサッカーダメ。だから、今の1年生は凄いと思う。アイツらは、人にやらされているのではなく、自分たちで考えてやることが出来る。だから、アイツらには凄く可能性を感じるし、どんどん使っていきたいと思っているんですよ」と、第3節の流通経済大学戦の後に語っている。

この言葉のとおり、風間監督は開幕から1年生を抜擢しており、赤崎に関しては、瀬沼のパートナーとして不動の位置を獲得。さらに前期は6得点を奪って、得点ランク4位に着けている。玉城と上村は、同じポジションを争うライバルとして、切磋琢磨しているが、現時点ではレギュラーの座を掴んだ上村が一歩リードしている状況。あと、地味ながらも、開幕からCBのポジションで主力として活躍する谷口の将来性を高く評価したい。1年生とも言うこともあり、体の線がまだ細く、時には不安定さを見せることもあるが、フィジカルを強くしていけばもっといいディフェンダーに成長出来るだろう。

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さて、攻撃面で高い評価を受け、スキルの高い新人にも恵まれた筑波大だが、今度はその戦いぶりを振り返ってみる。

風間監督は、従来どおりの「攻撃的サッカー」をより追求した形と称する今季の筑波サッカーだが、首位・明大に続く18得点を挙げており、高い攻撃力を見せていると言えるだろう。しかしその反面、リーグ5位タイの15失点という守備力については、改善する点でもある。だが、得点と失点が背中合わせなのは、良くも悪くも筑波の「カラー」といえよう。

リスクを犯してでも攻撃的な姿勢を打ち出す、筑波のサッカー。相手を研究して、その相手のストロングポイントを打ち消すサッカーを展開するのではなく、自分たちのいいところをだけを追求していくサッカーを目指す筑波大。

だからこそ、はまった時には、7節の慶大戦のようにやりたい放題になるのだが、相手の術中にはまり、攻撃の歯車が噛み合わないときは、8節の拓大戦のように大苦戦してしまう。また、攻撃的に行くために、守備面では非常にリスクを含んでおり、カウンターから失点してしまうシーンも多々見られた。

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筑波大の場合、勝つときというのは「逃げ切る」というよりも「攻め勝つ」といった方がはまると言えるはず。今、ワールドカップの現地解説として南アフリカに行っている風間監督だが、帰国後、チームに戻って後期の指導を始めても、前期に見せた攻撃重視の姿勢は変わらない。風間監督の中には、「守り勝つ」という文字は無い。

あくまでも筑波大は攻めて勝つ。

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これがどこまで出来るのか、そして瀬沼、赤崎がどれほど点を取れるかによって、後期の順位は大きく変わっていくだろう。あとは、風間監督は「楽しくサッカーをやるのに、ミスがあったら楽しくできるわけがないだろ?」と常に言い続けており、些細なミスでも目に付けば、前半の早い時間帯であろうと即、選手交代に着手しているが、その早い時間帯の交代が無くなるようであれば、後期の筑波は本当に「怖い存在」になっていくはずだ。

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