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2010年6月13日 (日)

明大、ライバル対決に完勝

関東大学サッカーリーグ
第10節 @古河サッカー場
流通経済大学 1-2 明治大学
[得点者]
27分山村、78分久保(明大)
45分武藤(流経大)

総理大臣杯・関東予選のため、間隔の空いた関東大学サッカーリーグ。前期の戦いも残すところ今週と来週の2節のみとなったが、この日は、今季首位を走る明治大学と、昨年の覇者・流通経済大学が対戦した。

日程が発表された当時は、前期終了前の「大事な首位攻防戦」と予想されたのだが、現実はまったく違う形でこの対戦を迎えた。開幕前、優勝候補の一角として名前の挙がった明大と流経大。明大こそ、前評判通り力を発揮して、無敗で首位を独走中だが、流経大は3勝2分4敗と9位に低迷中なのだ。

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しかし流経大は、負けたら終わりの「総理大臣杯予選」で、苦しみながらも勝利して、本戦出場を決めたことで、徐々にだがチーム状況が上向きになって、この試合を迎えた。

[明大スタメン]
ーーー久保ー山村ーーー
ー山田ーーーーー田中ー
ーーー宮坂ー小林ーーー
奥田ー丸山ー楠木ー鹿野
ーーーー高木ーーーーー

[流経大スタメン]
ーーー征矢ーー武藤ーーー
ー椎名ーーーーーー川手ー
ーーー大貫ーー村瀬ーーー
竹石ー比嘉ー小川ー保戸田
ーーーーー増田ーーーーー

明大は、これまでの不動のスタメンから、FW山本を山村、DF松岡を楠木に入れ替えた布陣でスタート。FWの久保祐一と山本鉱之は、ケガを抱えながらプレーを続けており、神川監督としては無理をさせたくないという思いは常にあるため、この日は力を着けてきた山村祐樹(FC東京U-18)をスタメンで使ってきた。

対する流経大のスタメン事情だが、明大よりも厳しいと言える。チーム状況こそ、総理大臣杯予選で上向きになったとは言え、ベストからはほど遠い状態。山村和也はご存じの通り、ワールドカップに帯同中のため、チーム合流は早くとも6月下旬。さらにはフランクがケガで戦列から離脱し、中里はコンディション不良でスタメンから外れ、関戸は膝を手術することとなり、戦列復帰は9月以降になるなど、メンバーのやりくりに中野監督は常に頭を悩まされている。

さらに両チームにとって、やっかいな状況もあった。

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それは、会場のピッチコンディションと天候である。試合前、中野監督と話す機会があり、今日の会場についてこのようなコメントをしてくれた。

「ここのピッチ(土壌)はね、もう30年以上整備してないんですよ…。だから、芝の下は堅い土のまま。芝がはげているのはともかく、デコボコなのはやっかいですよね」

そして、この日の天候だが、日差しも強くピッチ上の気温は30度を超える状況で、選手の体力は普段以上に奪われていくこととなる。

試合だが、中盤の底で精力的に動き回る宮阪ー小林のダブルボランチが抜群の働きをみせ、序盤から明大がペースを奪っていく。というか、メンバーがほぼ固定されており、リーグ戦を通して選手のタスク管理が徹底されている明大の動きは、明らかに流経大の動きより勝っていた。

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役割分担がしっかりしており、どこでプレスをかけるのか?、どこでボールを奪うのか?、奪ってからどう展開するのか?が、とにかく徹底されている。動きに無駄がなく、ブレや迷いが無いのである。それに対して流経大は中盤のルーズボールで誰が奪いに行くのか徹底されていない。そんなことから、ルーズボール、セカンドボールはほとんど明大に拾われ、何度もピンチを招いてしまう。

じわじわと明大攻撃陣に攻め込まれ、厳しい展開となっていく流経大。そして27分、CKのピンチに最後は山村に押し込まれ、先制点を奪われてしまう。この日は山本ー久保という不動の2トップを、山村ー久保に替えたのだが、この采配が見事に的中。改めて、控えの層も厚いことを見せつけた瞬間でもあった。

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さて流経大だが、ペースを奪えず先に失点してしまうという、悪い流れが結局この日も出てしまい苦しい展開となってしまう。だが、失点した直後、非常に微妙な判定ながらも、流れを取り戻せるビッグチャンスを掴む。

30分、ペナルティエリア内で、左からパスを受けた武藤がシュート体勢に入ったところに、明大DF丸山が体をなげうってブロックする。丸山のチャージはボールに行っていたのだが、主審は「倒した」と判断してPKとなる。うーん…このジャッジ、かなり不明瞭。主審は後方から見ていたことから、丸山のチャージが体に行ったように見えたのかも知れないが、実際にはしっかりボールに行っており、武藤が倒れたのはボールをブロックされた時の反動だった。

GKの高木が抗議するも判定は覆らずPKへ。さて、ここで流経大とPKの話になるが、これまでPKはすべて武藤が蹴っていたが、先日の総理大臣杯予選の早大戦でも武藤は外しており、今シーズンの試合中のPKは一度も決めていない。そんなこともあり、キッカーは征矢に変更されていた。

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だが、負の連鎖が征矢にも降りかかってしまったのか、シュートは枠を外れそのままゴールラインを割ってしまう。

タナボタと言ってもいいようなPKを得た流経大だが、これも活かせず苦しい展開を変えることができない。完全に「負けパターン」だった流経大だが、またもルーキーのきらめきがチームを救う。

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前半のロスタイム、左サイドでボールを受けた椎名伸志が縦に突破を図り、ディフェンスを引きつけると、武藤のマークが甘くなったことを確認してラストパス。フリーとなった武藤は、難なくこれを決めて絶妙の時間帯で同点に追いつく。このシーンだが、ボールを受けた瞬間に、相手DFと武藤の動きをしっかり確認しており、すぐにパスを選択するのではなく、自分が囮になって相手を引きつけてスペースを生み出すプレーを即座に選択。改めて、椎名のゲームを「見る」才能に脱帽した瞬間だった。

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1点ビハインドと、同点では選手のメンタル部分では大きく変わってくる。流経大としては「ここから」、「やれる」という流れになり、明大としては「痛いなあ…」「切り替えろ」といったところなのだが、明らかにこの得点が試合の流れを変えていくこととなる。

エンドの変わった後半は、「良いとき」の流経大の姿が久しぶり見られるようになる。村瀬、大貫の両ボランチが前からプレスをかけボールを奪い、両サイドバックのオーバーラップを呼び込み、分厚い攻撃を仕掛ける。連動した攻撃を繰り出し、明大を自陣に釘付けにすると、4分、5分、11分に次々と決定機を作り出すのだが、どうしても2点目が奪えない。

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後半立ち上がりは、同点になったことで、気持ち的に楽になった流経大がペースを握ったが、ここで失点しないところが今季の明大の強み。59分に丸山が負傷すると、替わりに入った松岡が奮起。丸山以上の統率力を見せ、流経大の攻撃を厳しいマークではねのけていく。

すると15分以降、徐々に流れが変わり出す。またも明大の両ボランチが前に出始めるのだが、この日は特に宮阪政樹の動きが、攻守に渡ってさえを見せる。またもボールを拾えなくなってしまった流経は、再び悪循環に陥ってしまう。後半序盤こそ相手を圧倒したものの、20分以降はほとんどチャンスらしいチャンスを作れない。それどころか、明大の奪って速攻というパターンに、逆に苦しめられてしまう。

そして77分、小林が自陣の深い位置でボールを奪うと、山田を経由して、左サイドに開いた久保に渡る。すると久保はそのまま縦に突進。一気に駆け上がる久保を流経大ディフェンスは止めることが出来ず、そのままゴール前まで攻め込みそのまま右足でシュート。これが決まって試合を決める2点目は明大に入る。

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このゴール、総合力というか、現在のチームの「勢い」がそのまま出たような結果であった。そして、明大にとって勝利を掴むためには、この「1点」あれば十分だった。

また、首位を走る明大にとって、この試合は「リベンジマッチ」でもあり、絶対に負けられない大事な試合であると、試合前から強く意識していたのである。昨年はリーグ戦で0-2、0-3と完敗を喫しており、選手のモチベーションは異常なほど高かった。そんなこともあり、「絶対に勝つ」と誓っていた明大は、このリードは実に堅実に守りきって、宿命の相手からきっちり勝ち点3を奪った。

内容的には拮抗したいいゲームだったが、やはり総合力で上回る明大の勝利は堅かった。それにしても、今の明大は強い。正直なところ、山村が帰ってこようが、ベストメンバーが揃おうが、明大に勝つのは至難の業といえるはず。ピッチコンディションにも左右されず、我慢強く自分たちのサッカーをやりきることが出来るのだから…

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さて、関東大学リーグ戦だが、来週の試合で前期が終了し、この後は大阪で行われる総理大臣杯に突入するのだが、明大はこの勢いを持続出来るようならば、やはり優勝候補の最右翼といえるはず。ひょっとすると、本当にリーグ戦、総理大臣杯、インカレの3冠を達成してしまうかも知れない。そんなことを思わせるほど、完璧な試合運びを見せてくれた。

さて、敗れた流経大についてだが、中野監督のコメントを含めて、また別の機会に紹介します。

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