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2010年5月17日 (月)

流経柏、王座奪還への道

プリンスリーグ関東1部 第8節 @秋津
市立船橋 0-3 流経大附柏高校
[得点者]
10分菅谷、48分田宮、58分進藤(流経柏)

1月の新人戦で優勝し、今年は県内の高校生相手には一度も負けていない流経柏。周囲からはすでに、「2007年の2冠時と並ぶほど」という評価をされている新チームだが、その評価が正しいのか確かめたく秋津へ向かったが、まずは観衆の多さに驚いた…

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昨年は流経柏を見る機会がなく、ほとんど初物を見る感じであり、本田裕一郎監督に今年はどんなチームなのですか?と質問すると、「みんな小手先の技術は巧いけど、チームとしてはまだまとまっていないです」という答えが返ってきた。しかし、そうは言いながらも、「今年は30人レギュラーのいるようなチームなので、それぞれの個性を見定めて、組み合わせを試しています」と、実はかなり期待しているんだな、ということがよく掴み取れた。

さて、両チームのスタメンとシステムは以下のとおり。

流経柏
ーーー杉山ーー田宮ーーー
ー進藤ーーーーーー菅谷ー
ーーー川本ー古波津ーーー
八角ー中村ー増田繁ー中西
ーーーーー松澤ーーーーー

市船橋
ーーー岩渕ーー和泉ーーー
ー石原ーーーーーー河崎ー
ーーー笠井ーー今瀬ーーー
八角ー平尾ー山野辺ー藤橋
ーーーーー積田ーーーーー

流経柏だが、U-17代表GKの松澤、ディフェンスラインの八角、増田繁、中西、ボランチの古波津の5人は完全に固定された形となっているが、その他のポジションで可能性を試している状況。また、市船橋だが、FWの和泉は岩渕と並ぶのではなく、やや下がり目に位置する場面も見受けられ、4-4-1-1もしくは、4-2-3-1とも取れる布陣を敷いてきた。

今年の新人戦では対戦することの無かった両者であり、これが今季初めての公式戦で顔を合わせ。互いにライバル視する両者の対戦は、序盤から激しい攻防が繰り広げられる。しかし、流経柏の厳しいプレスに早い出足が相手を上回り、ペースを握っていく。早くもセットプレーからのチャンスなども掴み、流経柏は市船に落ち着きを取り戻す時間を与えない。そして10分、流経柏の連続攻撃が続き、左サイドの突破に対してCBが釣られて飛び出してしまい、その隙を菅谷(28番)が逃さず詰め、流経柏が早くも先制する。

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この1点で完全にペースを握った流経柏。球際の攻防でも強さを発揮し、市船は前にボールを進める事が出来ない。流経柏は、ショートパスを繋いで崩すだけではなく、後ろからのロングフィードからもチャンスを掴み、何度も決定機を作り出していくのだが、フィニッシュの部分が雑で追加点が奪えない。

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すると25分以降から、市船が徐々に盛り返してくる。いや、盛り返したのではなく、明らかに流経柏の運動量が下がりだし、自分たちでペースを相手に渡してしまう。ピッチをワイドに使った展開が出来なくなり、序盤のような素速い押し上げが影を潜めだすと、球際の攻防でも競り負け、どちらがリードしているのかわからない試合となってしまう。その後、得点の動きこそ無かったものの、ペースを奪い返すまでには至らず前半を戦い終えた。

ハーフタイム。

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ベンチに戻るなり、本田監督にカミナリを落とされた流経柏の選手たち。5、6、7節と、Jユース強豪との連戦が続いたものの、これを2勝1分とほぼ完璧な内容で乗り切ったそうなのだが、この日はどうしても体にキレが見られない。連戦の疲れと言うよりも、メンタル部分の問題であり、みっちり本田監督に絞られて後半のピッチへ姿を現した。市船の石渡監督も、失点シーンの守備について不満を述べたものの、中盤以降の盛り返しを評価し、「球際での執念と運動量で絶対に負けるな」と言って、選手をピッチへ送り出した。

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前半のいい流れのまま、後半もスタートしたかった市船だが、今年の流経柏はそう甘くはなかった。後半いきなりCKのピンチとなったが、これを冷静に対処すると、その後は再び猛ラッシュ。後半3分、中央でボールをカットした菅谷が縦パスを前に送る。これが田宮に渡り、左足で蹴り込んで待望の追加点をゲット。

その後はやや一進一退の攻防が続いたのだが、11分、市船がビッグチャンスを掴む。CKのチャンスに誰か(すいません確認できず)がヘディングシュート。これがドンピシャでヒットしたのだが、シュートは惜しくもバー直撃。その後、こぼれ球の奪い合いから流経柏のゴールネットを揺らしたものの、オフサイドの判定でノーゴール。気落ちする市船の選手を横目に、すぐにリスタートする流経柏の選手たち。

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攻撃の手を緩めず、13分には右サイドから中央の進藤にボールが通り、ゴールまではやや距離はまだあったものの躊躇無く左足を振り抜くと、ボールは一直線にゴールマウスに吸い込まれていった。

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これで試合は3-0。試合の結果は、この時点で残念ながら決まってしまった。早い時間帯で先制したことで、余裕というか慢心を抱き、つい相手に合わせてしまい、受け身になってしまった流経柏だが、ハーフタイムでその気のゆるみを一瞬で切り替えてくるところはさすがである。さらには、本田監督の「レギュラーが30人」はウソでも何でもないことが、これから先の交代劇で明らかとなってくる。

この試合では、5人の選手が入れ替わったが、すべての選手が途中からゲームに参加しているのに、ゲームの流れにしっかり乗り、彼らはことごとくチャンスシーンで顔を出してくる。選手は「今日スタメンだったからと言っても、次の試合でもその座が保証されるなんてことは無いですから」と、どんなに短い時間であろうとも、とにかくどん欲にボールを追い、自分の持てる力を全力で発揮。彼らが躍動すればするほど、市船は沈黙するしかなかった…

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流経柏は全体的にみて、前評判よりもいい試合を披露することは出来なかったが、それでもしっかりと「完勝」するところはさすがだ。デフェンスリーダーの増田は「今日は体も重かったし、決していい試合ではなかった。相手の動きを見てしまうのではなく、自分たちで積極的に仕掛けていきたいし、気持ちで絶対負けないようにしたい」と。

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本田監督も「高校生は前が良くても、いきなりこうなるからね…」と、メンタルコントロールの難しさを口にしていた。しかし、2007年のチームと比べ、前線での連携ははるかに今のチームの方が上と言えるはずだ。前線までボールを運ぶパスの連携、全体の運動量、球際での強さ・執念は、今年の選手たちの方が現時点で上。しかし、増田も本田監督もともに口を揃えるが、「まとまり」という点である。

個人個人では能力が高く、それぞれがレギュラーを目指して全力プレーしているが、まだチームが完全にひとつになっている訳ではない。このチームが、Jユースクラスのチームワークと連動性を見せれば、秋の全日本ユースで再び日本一を獲得することは不可能ではない。

今年の高校サッカーの注目は、「流経柏の逆襲」であろう。
早く、夏と秋の「本場所」を見てみたい。

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