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2010年5月30日 (日)

劇的さの裏に潜む「物足りなさ」

JFL 第13節 @武蔵野陸上競技場
横河武蔵野FC 1-1 Honda FC
[得点者]
62分冨岡(横河)、90+5分西(Honda)

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12試合を終え、ともに6勝2分4敗の勝ち点20で並んでいる両者。しかし得失点差で横河が5位、Hondaが6位という順位になっているが、天皇杯・JFLシード権を獲得できる3位以内に滑り込むためにも、ともに負けられない試合を迎えた。

[横河スタメン]
ーーー桜井ーー冨岡ーーー
遠藤ー常盤ーー岩田ーー林
渡部ー金守ーー瀬田ー小山
ーーーーー飯塚ーーーーー

[Hondaスタメン]
ー吉村ーー新田ーー鈴木ー
ーーーーー土屋ーーーーー
ーー糸数ーーーー西ーーー
牧野ー中川ーー石井ー小栗
ーーーー清水谷ーーーーー

横河・依田監督は、相手の3トップ&両サイドバックの攻撃を、試合前から守備陣に警戒するようにと伝えていたが、いきなり右SB小栗の突破を許して、出だしからCKを与えてしまう。立ち上がりは落ち着いて試合に入りたかった横河だが、Honda自慢の3トップにかき回され、中央に出来たスペースをボランチの西、糸数に狙われる展開が続く。

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だが、フラットラインの中盤が、徐々に試合になじみ出すと横河の守備が冴えだしてくる。守りに転じたときにはきれいにブロックを築き、3トップになかなかボールが入らなくなる。ポゼッション率で上回るHondaは、丁寧に繋いで相手のブロックを破ろうとするが、ほころびを見せない横河守備陣に手を焼いてしまう。

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徐々に、依田監督の「Honda対策」が効果を発揮しだし、守備のリズムが出てくると、攻撃に転じるスピードが速くなり、テンポも良くなってくる。相手のボールをブロックに引っかけて奪うと、素速くサイドへ展開。2列目からの飛び出しが続き、連続攻撃を仕掛ける横河。さらにはCK、FKからもチャンスを得るが、瀬田のヘディングシュートは枠の上。どうしても先制点が奪えない横河。

時間はあっという間に過ぎ、このまま前半終了かと思われたラストシーンで、疑惑の判定が飛び出す。前がかりになっていた横河守備陣をあざ笑うかのように、土屋が右サイド奥へ展開。これを小栗が追いつき新田→鈴木と渡って横河のゴールネットを揺らしたが、判定はなぜかオフサイド。そして、その直後に前半終了のホイッスル。

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えっ?と思った
一体、誰がオフサイドなの???
新田も弘大も石井も主審に詰め寄る。
だが、判定は覆らない。

まあ、気を取り直して後半戦、というところだったが、なかなか気持ちの切り替えが出来なかったのか、後半は横河の早い展開が試合を支配することとなる。開始直後の遠藤のループ気味に狙ったシュートを皮切りに、流れを掴んだ横河が連続攻撃を仕掛ける。相手の早い出だし、早い展開に苦しい状況となるHonda。攻撃面でも、前線が孤立してしまい、思うようにボールが繋がらなくなる。

すると16分、右サイドの小山にボールが渡ると、早いタイミングでゴール前にクロスを放り込んでくる。このクロスに絶妙のタイミングで冨岡が頭で合わせ、横河がついに先制点を奪う。

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まさに、依田監督が描いたゲームプランどおりだった。守備のブロックをしっかり形成し、相手の攻撃を分断する。さらには3トップを前線で孤立させる。ブロックで奪ったボールを素速く展開してゴールを狙う。狙い通り、先制点を奪えば、後はガッチリ守備を固めて、あわよくばカウンターから追加点という展開だった。

Hondaは1点のビハインドを取り返すため、糸数→桶田、鈴木→川島という交代のカードを切るが、横河のブロックをどうしても突き破れない。刻一刻と時計の針は進み、まもなく90分を迎えるときに、大久保監督は最後のカードを切った。CKのチャンスに、牧野を下げて安部を投入。

おおっ!なりふり構わぬパワープレー勝負か… と思ったが、安部が上がったのはこのCKだけ。その後は3バック(大久保監督談)のような形に替え、ロスタイムはこんな形で猛攻撃を仕掛けた。

ー吉村ーー新田ーー川嶋ー
桶田ーーーーーーーー小栗
ーーー土屋ーー西ーーーー
ー中川ーー石井ーー安部ー
ーーーー清水谷ーーーーー

Hondaに残された時間は、ロスタイムの3分のみ。ここでCKのチャンスを得ると、今度はGKの清水谷までペナルティエリア内に姿を出し、果敢にゴールを狙う。だが、このチャンスはファールで生かすことが出来ない。

あとは横河が時間を使ってキープすれば勝利かと思われた。横河サポとしては「早く主審、笛を吹け!」と思ったことだろう。Honda陣内奥深くでキープを始め、ここで終わった…かと思ったが、試合は続く。ボールを奪うと、正真正銘のラストチャンスに賭け、横河ゴール前めがけてロングボールを蹴り込む。

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なんとここで、瀬田?が相手を倒してしまい、ペナルティエリアすぐ外でFKを与えてしまう。この時点でロスタイムは3分を経過。キッカーは西。もうどう考えても時間は無い。同点への方法は直接ゴールへ蹴り込むしかない。

しかし、ポイントに立った西は冷静だった。膝を抱えてゴールをしっかりと見つめ、一息ついてから右足を一閃。これが見事に決まって土壇場で同点に追いついた。そして、その直後に試合もタイムアップを迎えた。

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試合後、今度は横河キャプテンの瀬田が、「ロスタイムが長すぎる」と、主審に抗議したが、当然これは受け入れられない… その後は、まさかの幕切れにがっくりとピッチに泣き崩れてしまう。3位以内を目指すはずの戦いだったが、痛み分けで終わり、両者とも3位争いから後退する結果となってしまった。

試合後の大久保監督は「前の2試合で得点が奪えなかったこともあり、とにかく積極的にゴールを目指そうと選手に伝えていた。前半は繋いでゴールに迫っていくHondaのサッカーは出来ていた。流れとしては悪くはなかったが、先に失点してしまい、相手が完全に引いてしまったことで、やりたいサッカーができなくなってしまった。あとはとにかく人を入れ替え、あまり試していない3バックまでやってみた。完全に『負ける時の流れ』だったが、最後に西が決めてくれて本当によかった。勝ち点が0で終わるか、1を取れるかは大きな違いがある。それに流れからではなくとも、ゴールが生まれたことで、次に繋がっていくと思います」とコメント。

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対する横河・依田監督は「最後の最後でやられてしまいました…」とまるで敗者のような表情でコメントを始め、こう続けた。

「相手の3トップもそうだが、両サイドバックの攻撃参加をどう止めるか鍵となると、指示を出していたが、途中までは良かった。狙い通りの形から点を奪えたが、途中から足が止まってしまい、前半のように効果的なプッシュアップが出来なくなってしまった。結局のところ、2点目を取る流れを作れなかったことが、この結果の原因です。とにかく引きずっても仕方がないので、すぐに気持ちを切り替えて、鳥取戦の準備に入ります」

全体的な総括としては、よく言えばそれぞれのカラーの時間帯ごとに出た試合であるが、悪く言ってしまうと、相手を勝ろうとする「パワー」のない試合でもあった。試合終了時の「劇的さ」に騙されてしまうかもしれないが、冷静に振り返ると、お互いに物足りない試合でもあったのだ。

Honda自慢の3トップだが、孤立する時間も多く、決して良い出来ではなかった。横河に関しては、毎試合のようにスタメンが3〜4人入れ替わっており、この日も例外ではなかった。しかし、誰が出てきても「それなりに」自分たちのゲームを作ることが出来るが、「スペシャル」なゲームを作るには至ってはいない。結局のところ、「日替わりメニュー」を続けざるを得ないチーム状況が、スッキリ勝ちきれないところに繋がっているような気がするのだが…

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負け試合で勝ち点1を拾ったHonda FC。勝ち試合で勝ち点2を失ってしまった横河。監督は気丈にも「切り替えます」とコメントしたが、試合後の選手のガックリ度は非常に気になるものであった。

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