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2010年5月 8日 (土)

悩める関東大学王者

関東大学サッカーリーグ 第5節
2010年5月3日 @駒沢競技場
早稲田大学 2-1 流通経済大学
[得点者]
15分菅井(早大)、17分関戸(流経大)、60分富山(早大)

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4月から始まった今年の関東大学サッカーリーグだが、3連覇のかかる流通経済大学は、やや苦しい戦いとなってしまっている。4節を終わって2勝1分1敗と数字だけをみれば、それほど悪くもないように感じられるが、昨年に比べて内容は決してよくない。

では、何が悪いのか? と聞かれれば、実は目立って悪いところ、劣っているところはそれほど見あたらない。今年のレギュラーのほとんどは、昨年からトップチームで出場していることもあり、決して経験が無い訳ではない。しかし、あえて昨年との違いを見つけるとすれば、「真のリーダー不在」という事に尽きるだろう。

昨年は大量11人、そして今年は5人のJリーガーを輩出した流経大。さらには、今年の3年生には逸材が多く、この年代からも多くのプロ選手が生まれることが予想される。しかし、今の4年生はこれまでの先輩や下級生に比べ、やや地味という印象が強い。悪く言ってしまえば「流経の谷間の世代」でもあるのだ。

青森山田卒のベロカル・フランクを除けば、ユース年代で大舞台を経験している選手はほぼ皆無。トップチームキャプテンである武藤雄樹のように、無名からの叩き上げの多い4年生。彼らは昨年まで、上級生に引っ張られ、純粋にサッカーに打ち込んでいるだけでよかったのだが、最上級生となった今はそれだけでは済まなくなる。自身のサッカースキル向上だけではなく、チームを引っ張っていく責任も生まれるのだが、強烈なリーダーシップを発揮する選手が、いまだに出てきていない。

トップチームのキャプテンである、武藤雄樹は実は部全体のキャプテンではない。4年生が卒業となり、新しいキャプテン選出の際に、なかなか声を上げる人間がおらず、最終的にドラゴンズに在籍する選手が部のまとめ役となったのだ。

やはり、率先してリーダーシップを発揮する選手が出てこなければ、チームの勝利には繋がっていかない。開幕戦こそ5-0と拓大を一蹴したが、あの試合でも先取点を奪うまでは非常に苦しんでしまった。3節の筑波戦で今季のリーグ戦で初黒星を喫してしまい、先日の第5節早稲田大戦でも、圧倒的に攻めながらもゴール前にエンジの壁を築く早稲田ディフェンスを最後まで攻略できず、早くも2敗目となってしまう。

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決して内容は悪くはない。ダイレクトパスもしっかり繋がり、ピッチをワイド使った攻撃もしっかり出来ていた。ボランチからのミドルシュート→こぼれ球を狙うという指示通りのサッカーはほとんど出来ていた。しかし、それでも勝てないのがサッカーのおもしろさであり、難しさでもある。早稲田の得点シーンは、見事というほど、ワンチャンスをものにしたものであり、それ以外はひたすら体を張ってゴールを守った試合であった。清水入団が決定しているキャプテン岡根直哉を、ケガのため欠く早稲田は、副キャプテンである4年生の野田明弘が最後まで声を出し、体を張り続け、チームの勝利に大きく貢献。精神的な柱となれる選手、責任感を背負える選手がいたことが、この勝利を呼び込んだともいえるはず。

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試合後の流経大・中野監督は「やるべきことはしっかり出来ているんだけれど、最後(シュート)がねえ…。気持ちを切り替えて次に望みます」とコメントしたとおり、見ている方も特に悪いとは感じない。だが、相手よりも「勝ちたい」「戦う」という気持ちの部分では劣っていたといえるだろう。この日、出場した4年生は武藤、フランク、竹石、高野の4人だが、チームをどうやって引っ張っていくかを、改めて見直してくれればと願うところだ。彼らのリーダーシップなくして、流経大の3連覇は見えてこないのだから。

さて、中野監督だが、試合後に山村、比嘉、中里の3人だけ個別に呼び出して指導を行った。後から内容を聞いたが、決勝点となってしまった2点目の守備についてであり、本来なら見過ごしてしまうような、ほんの小さなミスだったのだが、この3人に大きな期待をかける中野監督は、あえて呼び出して厳しい注文をつきつけた。中野監督は「あの3人は、大学とかJではなく、世界で戦って欲しいのです。世界を見据えて戦うには、今日のようなマークの付き方、スペースの埋め方では戦えないことを伝えました。ハイレベルな戦いでは、ミスとまでは言い切れないプレーでも失点に繋がって行くので、今日のようなミスは絶対にしてはいけないと…。そして、もっとスピード感をもってプレーすることも要求しました。彼らには、より高いレベルに到達してほしいのでね」とコメント。

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そして中野監督はこうも続けた。

失点シーンはさ、本来、山村が富山について、比嘉がスペースを埋めなきゃいけないのに、なぜか逆になっていた。比嘉もスキルが非常に高いからセンターでも出来るけど、本来は攻撃力を活かしたサイドバックをやらせてみたいのですがね… 天野とかも非常に良くなってきているし、2年の藤本(大)も成長してきているから、これから先、変えていくこともありますね。あと、椎名(伸志・青森山田卒)はケガが完全に回復していないので、あせらずに準備させています。ただ、能力は非常に高い子なので、夏以降には使ってみたいと思います

ついに椎名の話題も出てきたのだが、やはり注目は下級生であり、4年生の話題はほとんど出てこない。こんなところが、今季すっきりと勝ちきれないことに繋がっているような気もする流経大。これで成績は2勝1分2敗となり、順位も6位に後退。中野監督は前期終了時に勝ち点差「6」以内であれば、後期に逆転可能だが、それ以上離されると厳しいとも語ってくれた。

3連覇のためにも、ここはなんとか4年生の奮起に期待したいところだ。

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