« 5/16、地域リーグ結果 | トップページ | ザスパ草津U-18、強豪との対戦 »

2010年5月20日 (木)

椎名伸志、流経の救世主へ

関東大学サッカーリーグ 第8節 @西が丘
駒澤大 1-1 流経大
[得点者]
49分金久保(駒澤)
85分椎名(流経)

どうしても波に乗りきれない流経大。
前節の国士舘戦では2-0で勝利したものの、内容に関しては中野監督も「う〜ん…」と首をひねるようなものであり、ここまでの成績も3勝1分3敗と、内容の悪さがそのまま出てしまっているのだが、この日もまた、「う〜ん…」が出てしまった。

Img_2404

前節のようにガンガン前からプレスをかけて、相手の自由を奪って試合を組み立てていくのか、それとも、本来の目指すスタイルであるショートパスを繋いでゲームを作っていくのか注目していたが、後者を選択。だが、どうしても全体の動きがピリッとしない。ケガから戦列を離れていた村瀬も前節から復帰し、前節出場停止だった司令塔の中里も戻り、中盤の構成はベストといえる布陣でありながらもだ。試合のペースを握っていることは間違いないのだが、パスにこだわりすぎて、ゴールに向かっていこう気持ちがあまり見えてこない。

Img_2239

そして、以前から警鐘も鳴らしていた「声が出ない」というところは相変わらず改善されていなかった。この日は平日ナイターとうこともあり観衆の姿は少なく、試合中に両校の応援が途切れるとスタジアムに静寂が訪れてしまう。プロの試合でなくとも、声を出してプレーするのはどのカテゴリーでも同じなのだが、今の流経は極端に声が少ないのだ。

ゲームキャプテンである武藤や、最上級生のフランクが闘志を剥き出しにして、チームを牽引すべきなのに、自分のプレーに集中してしまい、それが出来ていない。そうなると、チーム全体も自分のプレーだけに集中してしまい、個では相手を上回るものの、チームとして相手を凌駕することができない。

そして駒澤大だが、相手が「自滅」といっていいような試合をしているにも関わらず、そこをつけ込むことができない。攻撃の形はカウンターからの速攻ばかりで、分厚い攻撃を仕掛けることができず、両チームともやや低調な内容でスコアレスもまま前半を折り返す。

打開策が見いだせない両チームだが、こういう試合は一つのミスが失点に繋がるもの。後半開始直後、駒澤がチャンスを掴む。このとき、守備に入ったフランクが痛恨のクリアミス。本来なら、大きく蹴り出さなければいけない場面だったが、クリアが小さく、駒澤の奥村に奪われ、右サイドの酒井へボールが渡り、これを中に折り返して、最後は金久保が詰めて駒澤が先制。

試合の主導権を奪いながらも、先に失点してしまうという最悪なパターンの流経。ここから怒濤の攻撃を仕掛けるのだが、ブロックを形成してゴール前を固める駒澤ディフェンスを破れない。以前、中野監督は冗談交じりに「千明(現岡山)を留年させておけばよかった」なんてことを言ったことがあるが、本当にそうしていれば…と思うようなシーンが続いていく。かつての卒業生たちならば、強烈なリーダーシップと個性でチームを牽引し、逆転するだけの力がチームにあったのだが、残念ながら今のチームにはそれがない。

Img_2467

長短のパスを織り交ぜて、駒澤ゴールに何度も迫るも、赤い壁を攻略できず、時間だけが過ぎていく。それどころか、逆に相手のルーキー碓井鉄平に、カウンターから危ない場面を何度も作られてしまう。そして82分、ついにベンチが動いた。

古川大士と椎名伸志を同時に投入するのだが、交代する選手は武藤とフランクであった。シーズン当初、「武藤のチームだから」と言った中野監督だったが、結果が出せずもがき苦しむ4年生2人を同時に替えるという賭けとも言える采配に打って出た。

Img_2547

前節、待望のリーグ戦デビューを飾った椎名。この日もチームは「ジョーカー」として彼を送り出した。柴田コーチも「決めてこい!」と言ってベンチから送り出すと、いきなり本領発揮。ファーストタッチはワンタッチでヒールパスを決め、征矢に流すのだが、ここで相手DFがファールで止めFKを獲得。そしてポイントに立ったのはなんと椎名。

躊躇無く、右足を振り抜くと強烈な無回転弾が駒澤ゴールを襲う。これはゴールに結びつかなかったものの、椎名投入で限りなく得点に匂いが流経の攻撃から漂い出す。さらにチャンスは続き、左サイドをオーバーラップした天野からのクロスに征矢が競り、このこぼれ球を椎名が左足でボレー一閃。ゴールデンルーキーの記念すべき公式戦初ゴールは、値千金の同点弾となる。

Img_2527

完全に勢いを取り戻した流経だが、あまりにも反撃開始する時間が遅すぎた。試合は結局1-1の痛み分け。駒澤としては、勝てた試合を落としてしまった痛恨のドローであり、流経にとっては「負けなくてよかった」という試合だった。

そして試合後の中野監督も、「悪かった点、良かった点の両方があったが、とにかく負けなくて良かった」とコメント。悪かった点に関しては、言うに及ばず「4年生」についてだ。昨年、一昨年であれば、0-1で負けていてもそれを逆転できる力を持っていたが、今はそれがない。そして、勝負所で交代させられたのが4年生で、替わりに出来ていたのが2年生と1年生という現状。

中野監督は「できない選手には厳しく指導しないんですよ。厳しくして萎縮してしまっては伸びていかないから…。ただ、武藤やフランクは『できる選手』なんだから、敢えて厳しく指導しています。あいつらはできる選手だし、プロを目指しているのだから、もうワンランク上を目指して欲しい。だから今日は敢えて彼らを替えました」と語ってくれた。

確かに武藤、フランクは急激に成長してプロを目指せるレベルまで来たが、それはあくまでも個人としてのレベルアップだけ。中野監督としては、個人の技術だけではなく、先輩として、大人として、人としてもう一皮むけて欲しいのだ。

さて、一向に調子の上がらない流経だが、このままの順位であれば3連覇どころか、インカレ出場(4位までに権利が与えられる)すら危なくなってくる。中野監督も、目標を4位以内に切り替えたことを明言。不調に悩む4年生に、上條はケガで戦列復帰は未定。比嘉はU-21代表で不在、ディフェンスリーダーの山村はワールドカップ帯同のため、次の試合からチームを離れることとなる。

Img_2196

本当に厳しいチーム状況なのだが、救世主となった椎名に関して監督は高い評価をした。

「彼には『スパイス』になって欲しいと伝えたが、その通りの動きを見せてくれた。やはり、高校時代に大舞台を経験している選手は違う。ちゃんとベンチの意図を理解しているし、自分のリズムをしっかり持っている」

中野監督は、次が土曜日だから修正は難しいですが、とにかくやるしかありませんと言いながらも、椎名のような新しいスターが飛び出してきたことに手応えを感じていた。あとは、悩む4年生がどう変わっていくかが、流経浮上の鍵となってくるはず。

さて、ワールドカップ帯同前の最終戦となった山村和也だが、試合後、このようなコメントを残してくれた。

「メンバーに選出されて嬉しいです。秋津での代表合宿で、練習要員として今のメンバーの方と一緒にやったことはありますが、こうやって一緒に行動するのは初めてです。代表メンバーの方とは面識が無く緊張していますが、今はとにかくやるしかないと思っています。緊張するけど、してもしょうがないので…。練習とはいえ、高いレベルを求められているので、その期待に応えられるように頑張りたい。日本が勝つことが一番なので、自分も貢献したいと思っています」

Img_2594

流経にとっては、「山村不在」は痛いところだが、将来を見据えた上では、世界を間近で見られることは大きな経験となることは間違いない。貴重な時間をもらえた山村は、大きな財産を得て戻ってきて欲しいと願いたい。

« 5/16、地域リーグ結果 | トップページ | ザスパ草津U-18、強豪との対戦 »

大学サッカー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/48408429

この記事へのトラックバック一覧です: 椎名伸志、流経の救世主へ:

« 5/16、地域リーグ結果 | トップページ | ザスパ草津U-18、強豪との対戦 »