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2010年5月 5日 (水)

激闘、三菱ダービー

プリンスリーグ関東1部 第5節
5月2日(日) @養和巣鴨グラウンド
三菱養和SCユース 3-2 浦和ユース
[得点者]
9分近藤、46・49分田中(養和)
54分若井、60分矢島倫(浦和)

試合を振り返る前に、来年のプリンスリーグの話から。

地域リーグ同様、9地区に分かれて行われているプリンスリーグU-18だが、来年から各地域の上位チームを集めて、東西10チームづつで編成される全国リーグがスタートすることがすでに決まっている。

とりあえず、全国リーグ参加枠だが、【東日本リーグ→北海道1、東北2、関東5、北信越2】、【西日本リーグ→東海3、関西2、中国3、四国1?、九州2】という振り分けになっており、当然ながら、今季の順位がそのまま、来年の全国リーグ出場枠に直結していくことに。
(※1:来年、全国リーグを開催することは決定なのだが、2012年大会に向けての、リーグからの降格・昇格をどうするかについては、今のところ正式なアナウンスは何もないような…)
(※2:各地域の参加枠は、発表のない四国を除いてすべて公式のものだが、西日本はこのままの数だと11チームになってしまうのだが…)

そんなこともあり、どの地域も「全国枠」を目指すための戦いとなるのだが、その中でもやはり関東がおもしろい。今年の関東1部は、ユース5チーム+高校1の「6強」と開幕前は言われていた。内訳としては、横浜FM、浦和、FC東京、東京VのJユース組に三菱養和SCユース、それと流経大柏である。そして4節終了時点では、ヴェルディユースは出遅れたものの、それ以外の5チーム全てが予想どおり上位を独占している。

さて、関東1部第5節では、5位以内の座を守るためにも、ともに負けられない同士の戦いが行われた。

三菱養和SCユース vs 浦和レッズユースの対決である。

「三菱ダービー」でもあり、ともに年代別日本代表選手を擁し、高い戦術眼とスキルを兼ね備えたチームの対戦に、巣鴨の養和グラウンドには、会場に入りきれないほどの観衆が訪れていた。

両チームのスタメンだが、以下のとおり。

【養和スタメン】
ーーーー田中ーーーーー
佐藤ー北出ー近藤ー川上
ーーーー千葉ーーーーー
後藤ー冨田ー櫻岡ー川田
ーーーー中島ーーーーー
(※北出はやや下がり気味かな…)

【浦和スタメン】
矢島倫ーー鈴木ーー磯部
ーー矢島慎ーー藤野ーー
ーーーー野崎ーーーーー
皆川ー広瀬ー畑本ー若井
ーーーー中島ーーーーー

養和だが、注目されていたU-17代表である、田鍋陵太はベンチスタート。

さて試合だが、両者ともに流れを掴もうと、開始直後から積極的な攻撃に出る。2分に養和、3分に浦和がそれぞれCKのチャンスを得るものの、DFがそれぞれ無難に対応。お互いに、しっかり繋いで崩していこうという意図が見え、好ゲームを予感させた。

しかし9分、浦和はミスから痛恨の失点を許してしまう。GK中島のミスキックを養和は逃さなかった。これを拾って中盤で繋ぎ、佐藤が左サイドを抜け出してシュート。GKがなんとかはじくも、これに近藤が詰めて養和が先制。相手のミスに乗じた、見事な攻撃で先制点を奪うと、試合の流れまでも引き寄せてしまう。

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ワントップの田中+中盤の4人の見事なパスワーク&ハイプレスが冴え渡り、浦和は守勢に回る時間帯が続き、なかなか攻撃に転じられない。マイボールになっても、養和のブロックを崩すことができず、ボールを前に出すことが出来ない。こうなると、後ろから縦に蹴り出すか、個での打開だけとなり、養和のような「連動する攻撃」がまったく出来なくなってしまう。

厳しい時間帯が続いた浦和だが、養和のペースも徐々にトーンダウン。30分に鈴木が久々にシュートを放つと、ここから少しずつだが攻撃の形が作れるようになってくる。しかし41分、養和が右サイドチャンスを作る。すべてワンタッチプレーでパスを繋ぎ、あっという間にゴール前までボールを運び、最後は川上がシュート。これは惜しくも上に外れたが、思わず「セクシー!」と言いたくなるような、見事な攻撃を披露。

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序盤〜中盤は養和ペース、中盤〜終盤は浦和が挽回という流れで進んだ前半だが、1-0のまま終了。後半浦和は、ワントップの田中の動きをどう封じ込め、逆転に向けてどのような、攻撃のオプションを見せてくるか期待されたのだが、ガツン!と相手で出鼻をくじかれてしまう。

後半キックオフと同時に、相手ボールを養和の田中が奪うとドリブルで突進。そのまま豪快に右足でシュートを放つと、ボールはゴールマウスに一直線。田中の目の覚めるようなスーパーゴールが生まれ、点差が2点と広がる。

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さらに49分、連続攻撃を仕掛ける中で近藤がペナルティ内で倒され、養和がPK獲得。これもエース田中が決めて試合は3-0となり、誰もがこれで勝負ありと思ってしまったことだろう。だが、ここから試合はおもわぬ方向に進んでいく。

絶対に負けられない浦和は、ここから脅威の反撃を見せることとなる。まずは54分、左サイドで皆川→矢島慎と渡り、最後はオーバーラップしてきた右SBの若井が、豪快なミドルシュートを決めて、まずは1点を返す。さらに選手交代策に出て、追撃弾を放った若井を前に出し、より攻撃色を強めていく。

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前半のように、前からのプレスがかからなくなり、中盤のブロックも下がりだしてしまう養和。こうなると浦和は押せ押せである。そして60分、若井がボールを左サイドに展開。パスを受けた矢島倫が、養和・田中のシュートに負けじと豪快な一撃を放つ。左足から放たれたシュートは、こちらも見事に決まってついに1点差。

時間はまだ、後半15分
残り時間はあと30分もある
試合の流れは完全に浦和

あれだけ前半には出来ていた、見事のパス回しは完全に影を潜めてしまい、ひたすら守るだけとなってしまった養和。なんとか流れを変えようと、ついに田鍋を投入するものの、浦和に傾いた流れを引き戻すには至らない。

そして84分、FKのチャンスにDF広瀬が飛び込んで、ドンピシャのタイミングで頭で合わせたのだが、シュートはわずかに枠の上。浦和は猛攻の中で、何度もセットプレーのチャンスを得たのだが、どうしても得点に結びつけられない。

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攻める浦和、守る養和という図式のまま時間が進み、残りはロスタイムの3分だけとなる。最後まで同点に追いつこうという、執念を見せる浦和だが、結局このまま3-2で試合終了。

辛くも逃げ切った養和が3位に浮上し、敗れた浦和は流経大柏に抜かれ5位転落。勝った養和にしても、負けた浦和にしても、それぞれ課題と収穫がハッキリした試合でもあった。

3点目を奪うまでは、自慢のパスワークを活かしたサッカーが出来ていた養和。どんな組み合わせでも、中盤が活きることを証明できたのだが、終盤以降の消極的な戦い方はいただけない。点差が開いたこともあり、慢心が生まれてしまったことも事実だが、やはりここは完封して終わらせたい。いい流れのままで、次の試合に向けるためにも「終わらし方」に、もうひと工夫欲しいところである。

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敗れた浦和だが、後半立ち上がりの連続失点が全てであった。相手エースに豪快な一撃を浴びると、完全に浮き足立ってしまい、3分後に再び失点。立ち上がりの場面を、もっと落ち着いて戦えれば、このような苦しい試合とならなかったはず。攻撃に関しては、両サイドバックの積極的な攻撃参加も見られ、後半は分厚い攻撃を見せることが出来ていた。終盤に追い上げができたことで、負け試合であるものの「次に繋がる試合」が出来たことは間違いない。

さて、この両者の試合だが、願わくば高円宮杯で再び見たいものである…

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