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2010年4月11日 (日)

実力者たちが選ぶ道は?

関東サッカーリーグ2部 第2節 @夢の島競技場
SGシステム 2-1 神奈川教員

佐川急便東京SCが、佐川大阪と合併する際に、選考からもれた選手や、社業に専念する形をとった選手の「受け皿」となった佐川コンピューターシステムサッカー部。

当初はきつい練習はナシで、楽しくサッカーをしたい!という感じで都リーグに参加していたが、やはり元JFL選手が中心にいるチームは、例え「お遊び」でも強かった。2006年に東京都4部からスタートし、毎年カテゴリーを一つずつ上げ、チームはついに関東リーグ2部まで昇格。そして今年から、社名変更とともにチーム名も「SGシステムサッカー部」と名を改めた。

さて、このチームを見るのは実に久しぶりであった。かつて見たのは2007年の全国社会人大会・1回戦でのカマタマーレ讃岐戦以来、3年ぶりである。実力者がそろい、さらには開幕戦とこの日には間に合わなかったものの、SAGAWA SHIGAから中払伸吾までやってきたこのチーム。関東リーグ初参戦だが、1部昇格の最右翼といわれる実力は、果たして本当なのか?

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SGシステムのスタメンには、新加入の中払の名前こそ無かったものの、GK長谷川紳、DF中澤友秀、MF津村典明、MF河合崇泰、FW根本知治と、5人のJFL経験者が名を連ねていた。そしてシステムは、中盤がフラットに並ぶ4-4-2。対する神奈川教員は4-2-3-1の布陣を敷いてきた。正直、神奈川教員チームは、長年関東2部で戦っているチームなのだが、実際に試合を見たことがなく、どの程度のレベルなのわからず、試合前は勝手にSGシステム有利かと予想してしまった。

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だが、その予想が大ハズレだったことは、試合開始から5分でわかることとなる。

キックオフ直後にも関わらず、どうにもSGシステムの選手の動きが重い…。それに対して、しっかり約束事(戦術)が徹底されている神奈川教員は、繋ごう・動こうという姿勢が全体から見て取れた。SGシステムの選手に比べ、技術ではやや劣るものの、運動量と戦術で対抗。その中でも、中盤の底で精力的に動き回る33番に目が行った。技術も高く、彼の存在が効いていることで、なかなかSGシステムは中盤でゲームが作れない。しかし彼の場合、巧さよりも、教員らしからぬロンゲ姿の方が目をさらってしまう…(笑)

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あんな髪型でよく学校に文句言われないなあ…と思ったら、なんと元佐川東京SC→佐川コンピューターシステムの久保寺奨だった。
そういえばこのチーム、今は教員だけではないんだよなあ…。相手にいくらJFL経験者が多くとも、慌てずしっかり戦える神奈川教員。2部とはいえ、関東リーグの座を長らく保っている実力はダテではなかった。

さて、SGシステムだが、味方同士の距離もやや遠く、相手攻撃へのプレスも甘く、戦術的守備に関してはお世辞でも良いとは言えない。だが、攻撃に関しては、個人の能力だけでなんとかなってしまう。中盤の津村、河合、前線の根本、宮田にボールが入れば、連携はともかくシュートまで持って行ってしまう。そして前半のゴールシーンも、後ろから長い縦パス1本が17番宮田に通り、これを落ち着いてループ気味に流し込んでSGシステムが先制する。

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なんともあっけない形で点が入ってしまった…。

この先制点で、SGシステムが流れに乗れるかと思えたのだが、間延びしたラインと連携の悪さは一向に変わらない。これに対して、神奈川教員は全体のラインをコンパクトにして、2列目の選手が次々と飛び出すスタイルで試合のペースを掴んでいく。結局前半は1-0のままで折り返し、後半に突入するが、やはり試合の流れは神奈川教員のまま。すると61分、見事なサイド突破からチャンスを掴み、最後はオーバーラップしていた左SBの13番新倉がクロスに頭で合わせて、ついに同点に追いつく。全体が連動出来ていないSGシステムにとって、この失点はある意味で「必然」だったのかも知れない。

しかし、同点とされた7分後の68分、根本が値千金の一撃を決め、傾き賭けた流れを断ち切ることに成功する。この後は、守備陣がふんばりを見せ、結局2-1でSGシステムが逃げ切りに成功し、開幕連勝を飾った。

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SGシステムは勝ったものの、評価しずらい試合をしてしまった。関東リーグに昇格してから2戦2勝というのは、やはり実力があることを証明している。しかし、その実力は選手それぞれの「個」の部分であり、チーム戦術や運動量という部分では決して評価出来るものではない。彼らが持つスキルがあれば、関東2部ではそのまま戦えてしまうが、これがもし戦いの場が1部であれば、今のままでは通用することはないだろう。

そもそも、「楽しくやりたい」、「社内レクリエーション」という位置づけから始まったSGシステムサッカー部。だが、カテゴリーを上げていけば「楽しい」だけでは済まなくなってくる。さらには経費面での負担も徐々に増えてくるもの。果たして、このチームが2部でそのまま戦い続けるのか、はたまた1部で戦えるチームを目指すのか? どちらを選択するのか楽しみなところでもある。

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