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2010年3月22日 (月)

無限大の可能性を秘めた流経大FC

昨日は、Honda FC視点で内容を振り返りましたが、今日は流通経済大学視点で、この試合を振り返りたい。

開幕戦の佐川印刷戦をリードしながらも追いつかれ、惜しくもドローで終えた流通経済大学FC。そしてホーム開幕戦となったHonda FC戦だが、驚くことにスタメンをかなり変更して「アマチュアの雄」に挑んできた。

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この日のスタメンは、11人中なんと6人が新1年生(まだ3月なので厳密に言えばまだ彼らは『高校生』なのである)という、かなり大胆なスタメン構成であり、サブにも4人の1年生が控えていた。しかし、そのメンバー構成に至る過程に、実はこんなことがあったのだった。

14日にJFL開幕戦を戦い、そのまま竜ヶ崎に戻って月曜・火曜と練習をこなし、水曜日にJ2のジェフ千葉と練習試合を行うという、強行スケジュールをJFLチームはこなしていた。さらに、ジェフとの練習試合ではプロの判断・プレーの速さ、そして巧さの前に翻弄され、ディフェンスが崩壊。なんと1-11という大敗を喫していたのである。

いくら練習試合であり、相手がプロだったとはいえ、11失点という大敗に選手は体力的だけではなく、精神的にもダメージは大きかった。週末の公式戦まであと2日しかない状況の中で、いかにしてディフェンスの立て直しを図るかを考えた末に、柴田監督は若い選手の力に託すことを選択。

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ディフェンスライン(田向 泰輝/水戸短大附、津波 明/那覇西)、中盤、FWとすべてのポジションに1年生が配置されたが、特筆したいのは、ゲームをコントロールするボランチに1年生コンビを抜擢したところだ。開幕戦に引き続き出場した水木将人(流経大属柏)とコンビを組んだのは、前橋育英高校時代、インターハイ優勝、選手権ベスト4という、輝かしい成績を残した中美慶哉である。いい意味で「ついに出てきたか…」と言ったところだった。

フレッシュなボランチコンビは、キックオフと同時に精力的にピッチを駆けめぐる。序盤は鋭い出足で相手中盤にプレスをかけると同時に、左右にボールをチラして攻撃の起点となり、時にはドリブルを仕掛けチャンスを広げていく。

とても数ヶ月前まで第2種(高校生)を相手にしていたとは思えないほど、落ち着いた対応を見せるボランチコンビ。さらに2トップの柿崎弘樹(武相高校)と久保武大(福岡U-18)は、経験豊かなHondaディフェンス陣に臆すことなく突破を繰り返し、Hondaゴールを何度も脅かす。

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しかし、相手は百戦錬磨、そしてアマチュアの雄、さらには「Jへの門番」とも呼ばれるHonda FCである。そう簡単に相手にやられ続ける訳がない。前半25分以降は相手3トップが変幻自在にポジションを変え、守る側は狙いを絞りきれず、徐々にラインが下がりだしてしまった。そんな中で失点シーンを迎えるのだが、そこで「水曜日の教訓」が大きく生きることとなる。

劣勢の中で失点を喫しても、慌てることなく気持ちを切り替えることが出来たのだった。さらに、若い選手達はすぐさま「取り返すぞ!」という強い意識をむき出しにする。

それが失点から5分後の柿崎の突破に繋がり、ペナルティ内で倒されPKを獲得。キッカーには上級生ではなく、PKを獲得した柿崎自身が名乗りを上げ、これをきっちり決め、2試合連続ゴールを記録。そしてJFL史上、最年少での連続試合ゴール達成となった瞬間でもあった。

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だが、この直後がいただけない。同点になり、その時点でチーム全体の緊張が切れてしまったのか、リスタートの素速い攻撃にほとんどの選手が棒立ちのままとなり、あっという間にHondaのエース・新田に2点目を決められてしまう。こういうところは、本当に「若さ」を露呈してしまった瞬間でもあった。

さて後半に入ると、得点を挙げた柿崎に替わって、188センチという恵まれた体格を持つ1年生FWの佐藤亮太(流経大属柏)を投入。柴田監督曰く、FWの1年生トリオ(柿崎、久保、佐藤)はそれぞれ違う特徴があり、どの組み合わせをしても「おもしろさ」がある。そして、3人の実力も差がないことと、初戦で佐藤を使うタイミングが遅れて、出場時間が短かったこともあり、今日は最初から「後半は佐藤」と決めていたとのこと。

そしてその佐藤だが、ドリブルで突破口を見いだそうとする柿崎とは異なり、自慢の「高さ」を駆使して、前線でターゲットマンとして存分に力を発揮。ゴール前での高さはHondaディフェンス陣に驚異を与えていた。

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JFLを代表する強豪を相手にしても、一歩も引かない展開をした若手中心の流通経済大学FCだが、結局Hondaゴールをこじ開けることは出来ず、ホーム開幕戦は残念ながら黒星スタートなってしまった。確かに試合全体を通しては、Honda FCの巧さが目立ったことは確かだが、局面で見せた流通経済大学FCのきらめきは、将来性を十分に感じさせるものだった。

試合後の柴田監督は、敗戦にも関わらず明るい表情を見せて試合を振り返ってくれた。

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相手は経験値も高く、もっと『やられるかな?』と思っていましたが、予想以上に選手達がしっかり対応してくれて、非常に手応えを感じられるゲームでした。

水曜日にあんな試合(ジェフ戦)をしてしまった後で、どこまでチームを立て直せるか不安な面もあったが、逆にどこまで出来るのかも楽しみだった。あの練習試合のあと、「どんなに強いチームにも、自分たちの戦い方が出来なければ、とてもじゃないが上(プロ)ではやれない」ということを選手に伝えました。そして、中2日しかない状況だったので、気持ちの切り替えをしっかりやることと、ボールをキチンと繋ぐことだけを徹底させてこの試合に臨ませました。

1・2年生を主体としたチームなので、このJFLの中でもっとも経験値が低いチームであることは認識していますが、18チームの中でもっとも「のびしろ」があるチームだとも思っています。確かに最初は負けることも多いでしょう。しかし、負けた試合にこそ学ぶことは多いと思っていますし、1試合1試合戦うごとに成長を掴んでいくはずなので、リーグ終了時にどこまで成長できているか今から楽しみでもあります

とコメント。

いやはや、流通経済大学FC、恐るべしである。
まだベンチ入りしていない1年生の中にも、有力選手を続々控えており、夏以降はさらにこれらの選手が台頭してくることが予想され、JFL内の順位動向と並行してチーム内のレギュラー争いもおもしろさを増すことだろう。

ただ、今回一つだけ残念だったのは、流通経済大学FCの「未来図」をお聞きしたかったのだが、中野総監督と大平ヘッドコーチは大学遠征のため不在で、こちらの話は次回に持ち越しとなってしまった。

流通経済大学FCが、今後どのような「立ち位置」をとり、どう成長していくかも注目したいところである。

ちなみに、流通経済大学・今年最大の注目新入生である椎名伸志だが、現在は高校選抜遠征に合流中のため、大学の練習には合流してはいない。そして選手登録だがJFLチームには彼の名前は登録されてはいない。ということは、いきなりのトップチーム(関東大学リーグ)デビューが濃厚かと…

まあ、流通経済大学は本当に話題がいっぱいで、常に目が離せない「チーム」と言えるだろう。

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