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2010年1月 4日 (月)

26年の時を経て…

第88回全国高校サッカー選手権 3回戦 @駒場スタジアム
山梨学院大学付属高校 2-0 香川西

なかなか香川西のディフェンスを破れなかった…

キックオフから試合を支配したのは山梨学院だった。MF碓井鉄平は長短多彩なパスをスペースに繰り出し、MF平塚拓真やFW伊東拓弥は自慢のドリブル突破を仕掛け香川ゴールに迫る。また、高い位置からのプレスも功を奏して、セカンドボールの大半は山梨が拾う事に成功して、チャンスを広げていく。しかし、守る相手は前日に前橋育英を破った香川西である。さすがに守備はしっかりしており、ボールキープはするもののバイタルエリアでは厳しい寄せを繰り出し、山梨に決定機をなかなか作らせない。

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さて、この日の香川西の攻撃だが、序盤は県大会で見せた「繋ぐサッカー」が潜めがちであった。しかし、それには理由があり、前日に行われた前橋育英戦に向けて、チームは大会前からショートカウンター戦術を練習していたことと、それが見事にはまってしまったことで、前日のイメージのまま試合に入ってしまっていたのだ。だが、この日の相手は前橋育英ではなく、山梨学院大学付属高校である。にも関わらず、この闘い方をしてしまったことが、試合をより山梨ペースとしてしまう要因に繋がっていく。

そしてもう一つ、大きな問題もあった。それは香川西が「山梨学院大学付属高校」の情報をほとんど持っていなかったことだ。これは監督自身も認めていたことで、選手に対して有効な相手情報を渡すことが出来ていなかった。そんな状況であるから、試合前は「相手は穴のないチーム、(序盤の)20分間は耐えて、中盤以降で自分たちのサッカーをしよう」とだけ言って送り出したのである。そして選手たちは攻撃面では「らしさ」を出せなかったが、守備面では粘り強く対処して「40分間」はしっかりと守り通した。だが、ロスタイムに入ってから与えてしまったCKにおいて、一瞬のスキを見せてしまう。

左からのCKに対して、山梨DF中田寛人がニアに飛び込んで合わせ、この時間帯に失点を喫してしまう。山梨にとっては、まさに最高の時間であり、香川にとっては最悪なタイミングだった。香川西・大浦監督も「0-0で返ってくるのと、1点ビハインドでは大きな差があった」と語るように、この失点は大きな痛手となってしまう。

さて後半だが、前半のうちに挙げた1点により、精神的余裕も生まれた山梨が、後半立ち上がりもペースを握る。しかし、3試合目ということもあり、時間が経つにつれ動きも鈍くなり出し、徐々に香川のパスサッカーが反撃に出る。だが山梨の守備は1戦1戦進化していた。相手に対して逃げないディフェンス(監督曰く「勇気を持って戦っている」)を披露し、相手攻撃を完全にシャットアウト。さらに相手が前がかりになったところで、理想的ともいえる見事なカウンターを繰り出し、65分にあっという間に平塚が試合を決定づける2点目をゲット。

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最後も山梨ディフェンスはしっかり守りきり、見事に「完勝」といえる内容で、山梨県勢26年ぶりとなるベスト8進出を決めた。

さて「山梨県勢26年ぶり」とあるが、最後にベスト8以上進出したのは、当時「全盛期」であった韮崎高校だ。そしてこのチームを率いていた監督こそ、今山梨学院大学付属高校を率いている横森巧さんなのである。果たして26年の時を経て、名将・横森巧が国立競技場に戻ってくるのだろうか…

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このように、周囲は大きな期待を寄せるが、監督は「ウチはそんな高い目標は設定していません。1つ1つ戦っていくだけ」と、ここまで来てもスタンス(考え方)はまったく変えてはいない。しかし、この「変えない姿勢」が選手の成長を促している気もするのだ。

さらには監督は「1戦ごとに疲労が高まり、ケガも増えてきている。準備はしてきているが、徐々にキレのあるサッカーがやりきれなくなっている」ともコメントするが、チームは大会を通じて、強い相手と戦う中で方向性(目指すサッカー)が間違っていなかったことを確認し、1戦1戦自信を深めていることも、また事実であろう。監督も「ぐちゃぐちゃになってもなんとか出来るようになっている」と、その部分は確かに認めているのだから。

果たして67歳の横森監督は26年ぶりに国立に戻れるか。
次のルーテル戦も非常に楽しみである。

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