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2009年10月20日 (火)

全国社会人大会・準決勝/信州ダービー in 市原臨海

今年の地域リーグ決勝大会出場権を賭けた最後の大会となった、第45回全国社会人サッカー大会。通称「全社」と呼ばれるこの大会は、2005年大会までは出場しても「賞状」がもらえるだけであり、さらには平日に行われるわ、決勝まで進出すれば地獄の5連戦となるわで、「罰ゲーム大会」と揶揄されて、選手からは決して喜ばれる大会ではなかった。

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しかし、2006年大会から優勝チーム(もしくは準優勝→2008年から2チーム)が地域リーグ決勝大会への出場権を与えると決定されてからは、俄然注目度、重要度がアップしていく。所属地域リーグで出場権が取れなかったチームにとっては、またとない「敗者復活」の機会となるからであった。

そんなこんなで、今年も「敗者復活」を賭けて挑んできたいくつかの「ガチ」チームがありましただ、ベスト4の顔ぶれはものの見事に「権利なし」チームが顔を揃えた。長野パルセイロ、松本山雅、ツエーゲン金沢の北信越勢、そして関東2部のtonan前橋の4チームであり、今日の準決勝で「出場枠」の2チームが決定された。

ということで、今日の第一試合

組み合わせが決まったときから「準決勝は信州ダービー?」と言われていたが、その通りになったのは両チームの実力が確かだということ。さらにベスト4の顔ぶれが、全て「権利なし」となったことで決勝進出の2チームにしか権利を得られない。そう、長野と松本のどちらかが、確実に地域リーグ決勝大会に出られないということだ。今年最後のダービーマッチが「生か?死か?」を争う戦いとなったこの試合は、全社というローカル大会、さらには平日の11時とい条件にもかかわらず700人近くの観衆を集めた。

両チームのスタメンは以下の通り
<松本山雅>
GK:原
DF:阿部、坂本、山崎、鉄戸
MF:木村、北村、斎藤、大西
FW:柿本、小林

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<長野パルセイロ>
GK:ノグチピント
DF:籾谷、土屋、大島
MF:塚本、土橋、大橋、高野、栗原、野澤
FW:佐藤

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両チーム、「最終決戦」に向けてベストメンバーで挑んできたが、試合は予想もしない展開を見せる。

開始1分にパルセイロのミスを逃さず柿本倫明がインターセプト。そのままドリブルで持ち込みファーストシュートを放つと、それが決まっていきなり先制点を奪う。落ち着いて試合に入りたかったパルセイロだが、いきなりのミスから失点して冷静さを欠くこととなる。

パルセイロの持ち味といえば、パサーとして土橋宏由樹がゲームを組み立て、自慢の両翼である大橋、高野がサイドを駆け上がるのがパターンだが、この日はいきなりの失点からか、まったく「らしさ」を出せずもがき苦しんでしまう。両翼はサイドを駆け上がる攻撃参加がままならず、土橋もパサーではなく、自分で突破するシーンが目立っていく。

いきなりの先取点を奪い、精神的に優位に立った山雅。絶体絶命のピンチに陥ったパルセイロ。この余裕のなさが、パルセイロの攻撃の歯車を狂わせてしまった。普段なら出来ることが、まったく出来なくなっていたのだ。もどかしい時間が続くなか、再びパルセイロに悪夢が降りかかる。

23分、山雅・大西公平が左サイドからクロスを入れ、柿本に渡りさらに中央にパスを出すが、これをパルセイロDFがカット。しかしカットしたボールが相手FW小林陽介の前にこぼれてしまい、これを難なく小林が決めて山雅が待望の追加点を奪う。

前半23分の時点で2点のビハインドとなり、後が無くなってしまったパルセイロ。もうあとは攻めるしかない。しかし、攻撃に出るも、普段のような流れる攻撃が仕掛けられず、強引な突破ばかり目に付いてしまう。それでも「なんとかしたい」という思いが山雅ゴールをこじ開けることとなる。

前半終了間際の39分、CKのチャンスから連続攻撃を仕掛け、野澤健一がゴール前の混戦からけり込んでパルセイロが1点返して前半を折り返した。悪いなりにも、前半終了間際に1点を返し、これで波に乗れるかと思われたパルセイロ。

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だがこの日は違っていた…。後半に入ってもパルセイロの攻撃にキレは戻らず、2戦連続延長戦を戦った山雅の方がアクレッシブに動いていた。そして51分、小林のパスを受けた木村勝太がドリブル突破を試みる。そのままフィニッシュまで持って行くと、シュートは右サイドネットに突き刺さり、試合を決定づける3点目が山雅にもたらされた。

パルセイロも藤田、要田とFWを投入して攻撃のテコ入れを図るが、原を中心とした山雅守備陣を崩せない。ラスト5分はDFの籾谷を最前線に置く、スクランブル体制にでるが、時すでに遅し。ついにタイムアップの瞬間を迎え、山雅が宿敵を破り地域リーグ決勝大会の出場権を得た。

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どちらも「負ければ終わり」という崖っぷちという状況を認識した上で、この決戦に挑んでいたが、試合後の両者は残酷なほど明暗が分かれた。山雅にはチャンスが残り、パルセイロは「終戦」を迎えてしまったのだ。

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確かに明日、無情にも3位決定戦は残されているが、今後のチームがどうなっていくかは不透明でもある。この日の敗戦を受けて「解散」という最悪な決定はないが、4年間結果を出せなかったバドゥの責任問題も浮上する可能性は十分あるかも知れない。

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さらに来年で33歳を迎える要田勇一の去就もまだ不明である。パルセイロは今日の敗戦を受けて、すぐにでも「来年」に向けたスタートを切ることとなるが、その前途は険しい道が待ち受けているかも知れない。

さて、勝利した山雅だが、この日は今大会最高のゲームを見せたと言っても過言ではない。吉澤監督曰く「最悪な試合」と評した2回戦、ベスト8を、悪いながらも切り抜けたことで、選手は吹っ切れたのである。

そして監督は、こうもはっきりと言った

「結果が全てである」

そうなのである。「いい試合」を見せるのはJFLに上がってからでいい。もっと言えばJリーグへ行ってからでもいいのだ。山雅もパルセイロ同様、2007年から地域決勝で足踏みを続けており、今必要なのは「勝ち続けること」なのである。そして最後に「天皇杯、地域決勝へ(勢いが)繋がるためにも明日は優勝を狙います」と力強く宣言し吉澤監督は会場を後にした。

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第45回全国社会人サッカー大会準決勝
AC長野パルセイロ 1-3 松本山雅FC
得点者
1分柿本(山雅)、23分小林(山雅)、39分野澤(長野)、51分木村(山雅)


ちなみに準決勝第2試合は、別の機会とさせていただきますが、結果だけ掲載しておきます。

第45回全国社会人サッカー大会準決勝
ツエーゲン金沢 4-1 tonan前橋
得点者
38分、43分諸江、48分古部、79分秋田(ツエーゲン)
55分山田智也(tonan)

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