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2009年10月22日 (木)

全国社会人大会・3位決定戦/長野パルセイロ vs tonan前橋

最終日の第一試合は10時から3位決定戦となったが、この一戦は非常にモチベーションを保つのには難しいのでは?と思われた。

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この大会の上位2チームに対して地域決勝大会への出場権が与えられるが、ベスト4進出チームのうち、すでに決勝大会出場権を得ているチームがあった場合は、3位、4位でも権利を得ることが出来るため、昨年から導入された3位決定戦。しかし今年はベスト4全部が「権利ナシ」だったため、すでに昨日の準決勝でその「枠」が決定し、今日の3位決定戦は正直、意味をあまり持たない戦いとも言えたのだ。

しかしバドゥは昨日の時点で「勝ちに行く」とコメントしていたとおり、4名準決勝からメンバーを入れ替えたものの、十分すぐるメンバーを揃えてきた。これに対して関東2部ながらも勝ち上がってきたtonanは、昨日のスタメンから7人も入れ替え、さらに大黒柱の氏家はベンチ外という大胆な采配を採ってくる。

<長野スタメン>
GK海野
DF籾谷、鈴木、大島
MF土橋、大橋、高野、栗原、高田、
FW佐藤、要田

<tonanスタメン>
GK山本
DF二瓶、山本、柳澤、萩原
MF山田、小仁所、広沢、渋谷
FW小川、フェルナンド

これまでの3-4-3(3-4-2-1)ではなく、3-5-2のシステムを採用したパルセイロに対して、tonanは中盤がフラットラインを形成する4-4-2で試合はスタート。序盤から大方の予想どおりパルセイロの攻勢が続き、tonanは耐えて少ないチャンスに賭けることとなる。

だが、前半25分を過ぎるとパルセイロの動きが一気にペースダウン。「5連戦」の疲れも見え始めると同時に、ボランチ起用の土橋のポジションニングが曖昧で、中盤の底を大橋一人でケアする形となりだす。中盤にスペースが生まれたことで、徐々にtonanも攻撃の組み立てが出来るようになるが、結局前半はスコアレスのままで折り返す。

厳しい「消耗戦」に対して、早期決着を図るかのごとく、HTからFWの藤田を投入して勝負を仕掛けるパルセイロ。だが、パルセイロのペースダウンは前半以上に明らかとなり、「もしや…」を思わせる危ないシーンも生まれ出す。だが、個人能力で上回るパルセイロは、右サイドに展開した高田からの折り返しに藤田が合わせて待望の先制点を奪う。

これまで守備からリズムを作っていたtonanだけに、この失点で集中が切れないか…と心配したが、それは余計なお世話であった。失点後もこれまでと変わらないしっかりとしたディフェンスに、サイド攻撃を何度も繰り返す。

だが、刻一刻と残り時間が過ぎてゆき、後はロスタイムだけとなりパルセイロもキープを始めた。しかし、tonanは最後まで諦めない。執念で相手陣内まで持ち込んで、ラストワンプレーという場面でCKのチャンスを得る。そしてなんとこの土壇場の場面で9番関根が頭でパルセイロゴールにシュートを突き刺したのである。

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呆然となるパルセイロイレブン。キックオフのリスタートをすると同時に、後半終了のホイッスルが吹かれたのだった。

tonanにとってはあまりにも劇的すぎる同点ゴール。そしてパルセイロにとっては、あまりにも残酷な同点ゴールであった。すでに昨日の激戦で、体だけではなく心まで消耗しきっていたパルセイロに、延長を戦い抜く気力は残されてはいなかった。逆にtonanは「相手はもうダメだ、一気に行こう!」と俄然士気が上がり「3位になって帰ろう!」とチームの盛り上がりが最高潮を迎えて延長前半のキックオフを迎えた。

延長戦が始まると、tonanはいきなりの先制攻撃を仕掛ける。「スキがあればガンガン行け」と監督に指示されたCBの柳澤宏太が、相手の意表を突いて左サイドを駆け上がる。関根とのワンツーパスから完全にDFを振り切って、中央へラストパス。これを途中出場の間島が決めて、ついにtonanがリード奪う。

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後が無くなったパルセイロは、昨日のVTRを見るかのように、再び籾谷をターゲットマンとして最前線に置く形を取ったが、すでに同点に追いつく体力は底をついていた…。試合はこのまま1-2でtonan前橋が見事な逆転勝利を飾り、大会第3位に輝いた。

これまで試合の組み立てなどは、全て「氏家頼み」で動いていたtonan。しかし、この日はコンディション状態を配慮して、「氏家抜き」を選択して大事な試合に挑んだが、そのチャレンジは大成功だったと言えるだろう。大黒柱がいなくても戦える、そしてJを目指す強敵相手にも戦えることを証明したことで、チームは大きく成長し、来季(関東1部)へ手応えを掴んでこの大会を後にしていった。

さて、まさかの敗戦を喫したパルセイロだが、多くの選手は「落胆」の表情で足早に会場から去っていった。2005年の長野エルザ時代からJFL昇格を目指した戦いが始まり、2006年途中から「切り札lとしてバドゥを招聘。だが、今年もJFL昇格を達成出来なかったことで、チームは大きな変革がもたらされるはずだ。

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第45回全国社会人大会・3位決定戦
AC長野パルセイロ 1-2 tonan前橋

得点者
58分藤田(長野)、79分関根(tonan)、80分間島(tonan)

で、ちょっと余談になりますが、この日、tonanキャプテンマークを巻いた柳澤宏太と、パルセイロのFW佐藤大典の2人は、かつてともに草津で一緒に働き、そして一緒にプレーした仲間だったが、この日は久しぶりの「再開」となった。

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ちなみにコータはかつてJ2草津に所属していたが、元来の優しい性格が悪い方に影響し、チーム内の競争でうまく自分をアピールできず、2年目で解雇された苦い経験を持っている。その後はJFLでもプレーしたが、昨年から故郷、前橋に戻ってきている。そんな彼も今年で27歳となり、チームの中心を担う立場に変わりつつあり、特にこの日の決勝点を生む場面の突破は、草津時代では考えられない積極的姿勢から生まれた。

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年齢的にも、氏家英行に変わる「チームリーダー」としての行動も求められてきており、今後も彼の挑戦と成長を今後も見続けたいと思います。

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