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2008年8月17日 - 2008年8月23日

2008年8月19日 (火)

インターハイ・準々決勝 流通経済大学付属柏高校 vs 大分鶴崎 

埼玉スタジアム2002 第二グラウンド
準々決勝・第一試合
流通経済大学付属柏高校(千葉第一)2-1 大分鶴崎(大分)

◆まるで「孫悟空」のような今年の流経柏
 上記の見出しは「意味わかんねえ」と言われそうですが、春先から流経柏を見続けてきて、この大会に入ってからの試合をみていると、人気漫画「ドラゴンボール」の「孫悟空」を思い出させるワケでして…。簡単に言えば「戦うたびに強くなる」、「強い相手と当たれば必ずそれを乗り越え(成長して)ていく」と、毎試合成長を感じさせてくれるのが今年のチーム。昨年のように完成された強さは「ベジータ」のようだったが、今年のチームはまさに「孫悟空」かも知れない。

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 さて試合の方だが、ここ最近継続的にチーム強化が進んでいる大分鶴崎が、静岡県の東海大翔洋(旧東海大一校と東海大工業の合併校)を2-1で破った勢いをそのまま持ち込んで、流経柏に見事な先制パンチを喰らわす。前半4分、本田裕一郎監督も「ディフェンスに注意させたんだが…」と語っていた、鶴崎の鋭いサイド攻撃がいきなり火を噴いた。リスタートから素早く左サイドに開いた13番島崎に展開し、ダイレクトで中に折り返すと、後ろから走り込んできた7番伊賀上が右足で合わせ、見事に先制点を奪って見せた。

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 冬の選手権を経験した選手と、2年生・1年生の新しい力が融合して、昨年以上に手応えを感じるチームに成長した大分鶴崎。オーソドックスなボックス型の4-4-2で、サイドを起点にチャンスを作り出し、試合の序盤は完全に鶴崎が流経柏を圧倒した。流経柏としては、予想以上に早いサイド攻撃に手を焼きなかなかペースを奪えない時間が続いたが、ディフェンスラインが踏ん張りを見せてこれ以上の失点を与えない。すると26分に迎えたCKのチャンスに、ボランチ野村が見事なボレーで合わせて試合を振り出しに戻す。ワンチャンスを活かしてくるところは、さすが強豪校と言えよう。そしてこの得点以降、流経柏の出足が速くなり、中盤を完全に制圧。序盤こそスペースを有効に使った攻撃で流経柏を苦しめた鶴崎だが、このあとは封じ込められてしまう。

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 後半に入ると中盤でプレーしていた田口を前線にあげ、久場と2トップを組ませて勝負に出る。また、左サイドに投入した中森も抜群の突破を見せ、システム変更が見事に的中し、後半は一方的な流経柏のペースで試合が進む。交代とシステム変更で流れを完全に自分たちのものにしたが、それでも鶴崎の体を張ったディフェンスで得点を与えず試合は終盤を迎えていた。

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 なんとか流経柏の攻撃を押さえていた鶴崎ディフェンスだが、63分に先制点をあげた野村から、前線の久場に見事なスルーパスが通り、これを落ち着いて決めてついに流経柏がリードを奪う。エースの一撃で勝負が決定したこの試合だが、序盤は相手の鋭いサイド攻撃に手を焼いきながらも、じっくり構えて試合を落ち着かせる「安定感」を見せつけてくれた。そして機を見て行った交代も見事に的中するなど、臨機応変に対応できる力が本物であるということを実感させる試合であった。

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 流経柏としては、得るものの大きい試合であった反面、納得いかない出来事も起こってしまったこの試合。それは後半ロスタイムに起こった出来事だった。流経柏の河本が怪我のため、歩けない状況になっていた。これをみて、本田監督は交代を命じるのだが、河本は接触プレーの影響から足を押さえたままうずくまっていた。だが主審はこれに対して「早く出なさい」的なことを発した後に、すぐさま河本にイエローカードを提示した。遅延行為と捉えたのである。しかし、このジャッジに対して流経柏のベンチから「怪我をしている選手に走って出なさい」とは何事だ!と一斉に抗議が起こる。そしてこの抗議に対して、本田監督に対して主審は退席処分を下したのである。
 実はこの抗議の伏線は試合序盤からあったのだ。両チームの選手の接触プレーのたびに「次は(カードを)出すぞ」と威圧的にジャッジしていた。正直なところ、決してイエローと思えないようなチャージに対しても厳しく対処して、よく言えばルールブックに忠実な判定を下し、悪く言えば全く融通の利かないジャッジに終始していた。また、育成段階の高校生に対して、威嚇的な判定をするのもいかがなものかと思わせるレフリングだった。
 そんな事が重なって最後の抗議に繋がってしまったが、試合の主役はあくまでも選手であり、主審が主役になってしまったら本末転倒である。日本のサッカーは選手のレベルは毎年向上が進んでいるが、その進化に対してレフリングの進化は選手の向上に全く追いついていないのが現状である。一試合にかける高校生の大会だからこそ、しっかりとしたレフリングで挑んで欲しいと感じる試合でもあった。

2008年8月17日 (日)

いざ、信州ダービー3連戦

 昨日、テクノポート福井で行われた第44回全国社会人サッカー選手権・北信越大会の準決勝で、AC長野パルセイロがサウルコス福井を1-0、松本山雅がCUPS聖籠に5-1とそれぞれ勝利して、本大会出場を決定した。これにより、すでに北信越リーグで優勝の望みが絶たれていた松本山雅は、全国地域リーグ決勝大会に出場するための最後の望みである全国社会人サッカー大会へ出場権を無事に獲得した。また、現時点で北信越リーグの首位に立つパルセイロだが、順位は最終節終了まで確定しないので、「保険」として全社出場枠を獲得したことは素直に喜べることだろう。

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 さて、本題に入る前に群雄割拠と言われる北信越リーグを簡単におさらい。昨シーズン優勝を飾った松本山雅に、そのライバルであるAC長野パルセイロ、そしてこの2チームに続きJリーグ入りを目指すツエーゲン金沢。さらにアルビレックス新潟の下部組織であり、JFL昇格を目指し、第二のジェフ・リザーブスを目指すジャパンサッカーカレッジ(以下JSC)。これら「4強」以外にも、福井からJリーグを目指すサウルコス福井など、地域リーグとしてはもっとも「上」を目指すチームの多いリーグとして知られている。
 だがここ数年、北信越覇者は全国地域リーグ決勝大会で一次リーグの壁を突破できず、2001年以降は「1枠」時代が続いてしまっている。よって、他地域とのレベル差はともかく、リーグを勝ち抜くことの大変さは、全国でも一二を争うリーグとなり、悪い表現であるが「無駄に熱いリーグ」という、ありがたくないキャッチフレーズまでつけられてしまった。

 そんな中で、今年のリーグは9月7日の最終節を残すのみとなっているが、優勝はパルセイロとJSCの2チームだけに絞られている。こうなると、パルセイロとJSC以外は全国社会人サッカー選手権に望みを託すほかない。ちなみにJSCは今回の全社が新潟で開催されることから、開催地枠での出場がすでに決定している。山雅とツエーゲンにとっては、何が何でも出場権を得なければいけない大会であったのだ。

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 そして山雅はこの大会で決勝進出(※北信越からの出場枠は3)を決め、見事に望みを繋ぐことに成功した。しかしツエーゲンは、2週間前に敗れたパルセイロにまたも同じスコア(1-2)で敗れ、今年もJFL昇格の夢は閉ざされてしまった。戦術の問題、コンディションの問題などいろいろ原因はあったと思う。だが最後は「気持ち」の問題であり、「勝ちたい」という気持ちがパルセイロの選手の方が勝っていたと言わざる得ない。
 余談になるが、ツエーゲン金沢の年間予算(運営資金)は、約1億円に近いと言われている。この金額は地域リーグとしては破格の額であり、この予算を投入しても昇格に失敗してしまうと、余計なお世話かも知れないが、チームのこの先をつい心配してしまう。まだリーグ最終節と天皇杯が残されているものの、最大の目標である地域決勝出場が実現出来なくなった今、ツエーゲンがどこまでモチベーションを持ち直せるのか楽しみである。応援してくれるサポーターの為にも、最終節は無様な試合は絶対に見せられないし、勝利を捧げる義務があるだろう。

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 前置きが長くなってしまった、土曜日の結果を受けて全国社会人サッカー選手権・北信越大会の決勝のカードが、松本山雅vsAC長野パルセイロに決まった。ご存じのとおり「信州ダービー」の実現となるのだが、実はこのカード、8月31日の天皇杯・長野県予選決勝でも対戦が決定しており、さらにその翌週である9月7日にリーグ戦・最終節が組まれているのだ。なんと3戦連続で「信州ダービー」が実現する、運命のいたずらとも言える組み合わせ。
 だが、本日の決勝戦は両者すでに全社出場権を得ているので、控え組を使った調整試合的なものになるだろう。だがこの控え組同士の試合と言ってもでも、高いレベルを保てないようでは全社も地域決勝も勝ち抜けない。よって、チームの総合力を高めるまたとない絶好の試合であるので、両者ともしっかりとビジョンをもって挑んでもらいたい。そしてこの両者の戦いは8/31と9/7の連戦が、本当の意味での「死闘」となるだろう。

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 特に9月7日の北信越最終節はパルセイロにとって、優勝のかかった大一番。勝てば文句なく優勝。引き分け、負けの場合はツエーゲンvsJSCの結果に優勝の行方がゆだねられる。ホーム(南長野)でまだ山雅に一度も勝っていないパルセイロ。ホームで迎える最終節は、ライバルを破って優勝という最高のシチュエーションで迎えたいところだが、山雅にとってはライバルの優勝を目の前にすることは、最大の屈辱。すでに優勝の望みはなくリーグ戦は本来消化試合であるが、この試合だけはプライドを賭けた一戦であり、絶対に負けたくない思いで南長野に乗り込んでくるはず。

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 互いにチームの「引き出し」を増やして勝利したい「福井決戦」、対Jリーグへの挑戦権を賭けた戦いとなる「アルウィン決戦」、King of 信州の座と優勝とプライドを賭けた戦いとなる「南長野決戦」。例年以上の緊張感を保ちながら、スリリングな3連戦に突入する「松本」と「長野」。さすがに福井には行けませんが、アルウィン&南長野決戦にはぜひ足を運ぼうと思っております。さらにですが、全社の決勝で「今年5度目」となる対戦が実現すれば、最高なんだけれど…と思ってしまう自分もいたりします(笑)

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 で、ここ数試合の山雅ですが、シーズン序盤のような迷いながらの姿は消えたと感じます。だからこそ最終節の信州ダービーは、緊張感のある素晴らしい戦いになるだろうと思っている。これまで何度も信州ダービーを見てきて、こんな素晴らしい対決は、地域リーグで実現するのはもったいない! と思ってきた。
 「北と南」と言い合うほど、対立する両者だがこのダービーが盛り上がり、さらに両者のレベルが急激にあがったのは、刺激しあえる最大のライバルが目の前にいたからである。だからこそ、この戦いはJFL、Jリーグで早くみたいものであり、共に上のカテゴリーに進んで欲しいと切に願ってしまうのだ。
 日本では「さいたまダービー」や「静岡ダービー」などいくつも熱いダービーが存在しているが、この信州ダービーは絶対にこれらのダービーに引けを取らないものに成長すると信じている。そしてその可能性は絶対に秘めている。かつて山雅を率いた辛島氏は「長野に2チームあるのは厳しいのでは?」というニュアンスのコメントを残したが、私はそうは思わないと思う。この両チームが存在し合って、はじめて大きなチームに成長していくと思っている。
 
 ライバル無くして成長はない。私はこの両チームが早く上のカテゴリーに進んで、さらに発展した信州ダービーを見せてくれることを楽しみに待っている。

さあ、楽しみな3連戦のスタートはまもなくです…

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