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2008年8月10日 - 2008年8月16日

2008年8月14日 (木)

高校チャンピオンのその後〜偉大なる先輩を超えるために戦う流経柏〜その2

〜模索を続ける新チーム〜

 さて6月に入ると、プリンスリーグも大詰めを迎え、さらにインターハイ予選も続く過密日程の時期に差し掛かっていた。

◆Jユースにチームに圧倒されたプリンスリーグ
 今年のJFAプリンスリーグU-18 関東2008だが、例年以上にJユースチームのレベルが高く、横浜Fマリノスユース、FC東京U-18、浦和ユース、東京ヴェルディユースの上位4チームが早々と全日本ユース出場を決めていた。Jユースが上位をキープする中で、高校チームは苦戦を続けており、流経大柏も同様であった。しかし、苦戦はすれども6位(※9節終了時)につけていたのはさすがと言えよう。そして本田監督は「夏までにはいいチームをお見せできますよ」と語り、新チームに対して完璧にはほど遠いが、徐々に手応えを感じていたのは事実だった。

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◆受け継いだ勝負強さ
 昨年のような堅いディフェンスに、圧倒的な攻撃力はこのチームにはない。だが、培われた戦術眼と先輩たちから受け継いだ勝負強さは格別だった。昨年の誰が出ても素晴らしい動きを見せた中盤の輝きは、今年のチームでは期待は出来ない。本田監督も「ネックは中盤」と認めているが、ここ数試合では守備が安定し、「自分たちでもやれる」という自信を選手が実感してきていることは、紛れもない事実である。突出した選手がいないからこそ、どの選手もチャンスを狙って監督の期待に応えようと躍起になっているのだ。

◆ハイレベルな準決勝
 そんな中でインターハイ予選を迎えることとなったのだが、このインターハイには千葉県から2校出場できるため、準決勝が事実上の決勝のような雰囲気を持っていたのである。本来なら優勝を目指して戦うものだが、この大会に限っては準決勝に大きな比重が置かれていた。そしてこのインターハイ予選の準決勝には、流経大柏vs習志野、市立船橋vs八千代という、4校すべてが全国優勝経験を持った学校が揃うという、ハイレベルな組み合わせが実現した。

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◆守備陣の奮闘が勝利を呼ぶ
 流経大柏の準決勝までの道のりは、決して平坦ではなかった。1回戦(千葉国際戦3-1)、ベスト8(渋谷幕張戦2-1)は2戦連続して延長戦となり、準決勝も僅差の内容だった。決していい内容とは呼べないが、粘り強さが出てきており、GKの谷口を中心に守備の踏ん張りは、春先に比べて大きな進歩を見せていた。こうして準決勝を勝ち抜いたことにより、全国大会出場権(2008インターハイ・埼玉大会)を得たのだが、決勝の市立船橋戦は事実上の「消化試合」となってしまった。

◆探り合いとなった決勝戦
 迎えた6月24日の決勝戦だが、準決勝からメンバーを大きく変えた市立船橋のスタメンを確認すると、流経大柏も開始早々から田口、久場などの主力を次々と交代させる。過密日程の中で行われた決勝戦であり、7月13日のプリンスリーグ最終戦で対決することから前哨戦でもあるこの試合に、手の内を見せたくなかったと両チームの指揮官は試合後に語るのだった。だが、両チームとも手の内を見せない変わりに、互いに新戦力を試すまたとない、絶好の機会にもなったのである。

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◆勝ち負け以上の収穫のあった試合
 互いに期待した新戦力が活躍し、勝ち負け以上の収穫を両指揮官にもたらした決勝戦。結果的に延長戦を戦っても2-2で終了し、PK戦にもつれ込んだが流経大柏が勝利し、今季初のタイトルを獲得。今後の大会に向けて、監督にとっても選手にとっても大きな自信となったことであろう。この日のスタンドにはOBである、比嘉と中里の姿もあり、自信に満ちた後輩たちの姿を目の当たりにして満足そうに帰路に着くのだった。

◆本当の決戦に向けて…
 この大会の決勝戦は、あまり勝負が重要視される大会ではなかった。だが、この後に続くプリンスリーグ、冬の選手権予選と絶対に負けられない戦いが続くことになる。確かに成長は見て取れたのだが、準決勝、決勝で見せた市立船橋のスペースをワイドに使ったサッカーは、魅力的であり、おもしろさ・完成度で言えば、現時点での流経大柏よりいいサッカーをしていると言える(※この大会時点で)だろう。だがいいサッカーをする方が勝つとは限らない。とりあえずインターハイは千葉が誇る両雄の出場となったが、冬に出場出来るのは1チームのみである。

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◆間近に迫った夏の決戦
 そしてこのインターハイ予選から2週間後、プリンスリーグの公式戦で両雄が相まみえることとなったが、ここでも1-0と流経大柏が勝利して、最終的に流経大柏はリーグで5位に入り、秋の全日本ユース出場を決めたのである。そして敗れた市立船橋は10位に終わり全日本ユースの出場権を逃すと同時に、来期のプリンスリーグ(関東)は2部降格となってしまった。これにより、市立船橋が全日本ユースに出場するには、インターハイで決勝に進出するしかなくなったのである。

 市立船橋にとっては2連覇への挑戦と、全日本ユース出場権をかけた戦いとなり、流経大柏にとっては偉大なる先輩が唯一獲得できなかったタイトル(インターハイ)を取ることで、先輩越えの第一歩を踏み出したいところである。市立船橋にとっては厳しい成績に終わったプリンスリーグだが、夏からの逆襲にかけており、今後も両者の対決も激しく・厳しく・おもしろい戦いになっていくだろう。

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◆覚醒した新チーム
 こうして両者はインターハイに入っていくのだが、「夏までには……」という言葉通り、徐々に力を発揮してきた流経大柏。そして夏の巻き返しにかける市立船橋も大会を順調に勝ち上がっていくのだった。この後の結果は別の機会にするが、本田監督の言ったとおり、チームの安定性が試合をするごとに増しており、今年も流経大柏はおもしろいチームに仕上がっており、今後もさらに目を離せない存在になって行くことだろう。

高校チャンピオンのその後〜偉大なる先輩を超えるために戦う流経柏〜

〜その1:進化するタレントたち〜

◆それぞれの進路
 大前元紀、上條宏晃、村瀬勇太、田口泰士、中里崇宏、秋山心、比嘉祐介、須藤亮太といったこの年代を代表するタレントを揃え、夏のインターハイこそ3位で終わったが、全日本ユース、そして冬の選手権の2冠を達成した千葉県の流通経済大学付属柏高校。このチームの主力だった3年生は新しい道に進むこととなり、清水エスパルスに入団した大前を除いた大半の3年生が、流通経済大学に進学。そして新チームは、冬の選手権でも活躍した田口と久場光に託されることとなった。

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◆重苦しいスタート
 実はこの冬の選手権の裏側で、千葉県の高校サッカー新人戦が行われていたことをご存じだっただろうか? そして選手権決勝から5日しか経っていない、1月19日に新チームはベスト8を戦うこととなった。まだ選手権優勝の余韻が残っているだけではなく、新チームの形すら出来ていないまま、この大会に突入した流経大柏は、無名と言える木更津総合高校に0-1で敗れ去ってしまった。大本命と言われながらも、きっちりと結果を出した3年生に対して、いくら準備期間が短かったとは言え、チャンピオンチームがあっさりと敗退してしまい、前途多難な雰囲気も漂うのだった。

◆本当のスタートライン
 「選手権王者」という、大きすぎる看板を背負ってしまった新チーム。偉大すぎた1年先輩のチームに比べ、どうしても小粒感が拭えず、確固たる方向性もなかなか見いだせなかった。そんなチーム状態であったが、3月中旬にアメリカのダラスに遠征し、さらにいくつかの招待試合(大会)を経験することで、選手の個性や自主性が徐々に芽を出すこととなる。これまでの田口、久場だけのチームから、本当の意味での「新チーム」として機能しだし、やっとスタートラインに立つことが出来た……という印象を受けるのだった。

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◆安定感のない試合が続く
 遠征や試合をこなすことで、やっと手応えを感じてきていた本田裕一郎監督。2月、3月の時点では今年はどうなることやら……と心配させたが、JFAプリンスリーグU-18 関東2008の開幕には、戦えるチームに仕上げてくる点は、さすが名将といったところだろう。開幕戦となった4月6日の桐蔭学園戦では5-0という幸先の良いスタートを切り、今年も突っ走るのか? と思わせた。しかしその後は、一定のパフォーマンスを保てない不安定な時期が続く。内容的には反省点の目立つ試合が多かったものの、結果的に4勝2敗と勝ち星先行で進み、5月11日には今季のユース年代ナンバーワンの呼び声が高い、浦和レッズユースとの対戦を迎えた。

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◆名将の賭けと選手の踏ん張り
 ここで、本田監督は一つの賭けに出る。これまでに公式戦で試したことない、センターバックの組み合わせで、どこまで浦和の攻撃を耐えられるか、大一番とも言える大事な試合で、大胆にも選手の可能性を試すのだった。試合は本田監督の予想通り、浦和ユースの高い個人技によりペースを奪われ、両サイドのスペースを有効に使った攻撃に晒されて、一方的な試合展開となっていた。それでも最後まで体を張ったディフェンスで浦和の猛攻をシャットアウトすることに成功し、この試合をドローで終えることに成功したのだった。

◆「夏までには……」
 試合後の本田監督は、「本当は久場と田口をセットにして、前で使いたいのだが、田口を中盤から外してしまうとバランスが崩れてしまうんだよなあ…」と語っていた。やはり監督は、今年のチームのネックを中盤と考えていた。昨年度のチームは、キャプテンの名雪をはじめ、村瀬、中里、田口、小島など豊富なタレントを擁していたが、今年はそうはいかない。この日、ディフェンスラインには、大きな手応えを感じていたが、中盤構成については依然、悩みの種であった。しかし帰り際には、「夏場までには一皮むけたチームをお見せできますよ…」と頼もしいコメントも残してくれた。

 さて、田口や久場といった新3年生が成長を見せる中で、卒業していった選手たちの動向にも注目したい。

◆プロの壁を乗り越える大前
 清水エスパルスに進路を求めた大前は、2月12日の蔚山現代との練習試合で早くもプロ初ゴールをあげたが、公式戦出場の壁は高く、なかなか出場機会を掴めなかった。しかし、5月25日のナビスコカップ・ジュビロ磐田戦で途中出場ながらプロデビューを飾り、7月5日のコンサドーレ札幌戦で待望のリーグデビューも遂に果たしたのだった。プロデビューの裏には、高校とプロのフィジカルの違い、スピードの違いを克服し、FWというポジションだけではなく、サイドアタッカー、セカンドトップとこれまでとは違う役割を経験することで、確実にプレーの幅を広げてきている大前の姿があった。

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◆驚くべきスーパールーキーたち
 そんな大前と同期生の大半は、流通経済大学に進学していた。中でも中里、村瀬、比嘉の3名は入部して即、JFLチーム(※)において不動のレギュラーに抜擢される。さらに中里、村瀬はU-19日本代表候補に招集されるなど、プロに進路を求めた大前に負けず劣らずの成長を見せている。また、冬の選手権では控えに甘んじていた小島聖矢は、大学の中野監督の目にとまり、急成長を遂げており、サイドバックとして地位を確立していた比嘉は、大平コーチがその才能に惚れ込み、センターバックという新しい役割を与え、その起用に対して見事に応えるなど、多くの選手がチームで才能を伸ばしつつある。

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<後編に続きます>

※流通経済大学は関東大学リーグに出場するトップチームを頂点として、二軍のJFLチームがあり、三軍にあたる「クラブドラゴンズ」は、関東サッカーリーグ一部に所属して、それぞれのチームを構成し実戦の機会を豊富に作り出して選手の育成に励んでいる。また、三軍以下も茨城県リーグなど多彩なカテゴリーに所属して、どの選手にも平等に出場機会を与え、常に選手の入れ替えを頻繁に行いチームの活性化と、個々のレベルアップを図っている。

インターハイ3回戦・埼玉栄vs作陽高校

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埼玉栄(埼玉第二)0-1 作陽高校(岡山)

◆試合をコントロールすることの難しさ
 初戦を6-0と大勝した地元・埼玉栄に対するのは、全国大会でも強豪と知られる作陽高校であった。栄とは対照的に初戦は厳しい戦いとなったが、粘り強く勝ち抜くところはさすが強豪校といえるだろう。基本的に両者とも攻撃的な姿勢を全面に出すことから、積極的な試合を予想された試合だが、予想とは違う展開に進むのだった。

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 ともに4-2-3-1システムで、ポゼッションを高めて試合を進めるチームだが、試合開始から作陽の1トップ辻本がポストとなり、2列目の6番佐藤、11番村上、14番西田が次々とゴール前に顔を出す。さらにボランチの10番亀井、16番原田が素早いチェックで、栄にセカンドボールをまったく渡させない。完全に作陽にペースを握られてしまって、手も足も出せない栄。攻める作陽、守る栄という展開の中、栄の4バックが懸命のディフェンスをみせて、フィニッシュまでには行かさせない。

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 圧倒的なボールキープ率だがシュート数だけを見ると、前半は作陽5本、栄3本と大きな差はなかった。ゲームの組み立てとしては高いレベルを見せつける作陽だが、フィニッシュの正確性は欠いてしまっていた。正直なところ、前半の早い時間帯で1点作陽に入っていたら、バタバタと作陽が得点を奪っていたかも知れない。だが栄守備陣がなんとか踏ん張り、劣勢の中でも無失点に抑えていると、栄にとって試合の流れを左右する大きなシーンが巡ってくる。前半ロスタイムにカウンターのピンチになった作陽。このピンチにDFの木下が後ろから相手を倒してしまい、一発退場。このFKのピンチこそなんとか逃れることに成功して前半を折り返したが、後半は一人少ない状況の中で戦うこととなってしまう。

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 センターバックの一人を欠いてしまった作陽は、後半は4-4-1のシステムに変更して戦うこととなる。試合の流れは前半とはまるで逆の、圧倒的に攻める栄に、守ってカウンターの作陽という戦いとなる。だが不思議なもので、前半は圧倒的なポゼッションを誇りながらも無得点だった作陽が、人数が減ったことにより手数をかけず、素早い攻撃を仕掛けることとなる。そして55分、栄にとって一番ケアしなければいけない形である、素早いカウンターを受けてしまい、痛恨の失点を喫してしまう。

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 ここから栄は次々と攻撃の選手を投入し、システムうんぬんではない4トップ?といっていいような、極端な攻撃的システムに打って出る。9番ゴンザレス、10番佐瀬が次々とチャンスを作り出すが、作陽は必死のディフェンスで応戦する。最後のラストプレーかと思われたロスタイムでのFKのチャンスでは、同点ゴール?と思われたシーンも飛び出したが、無情にもオフサイドの判定でノーゴール(少し厳しい判定だったかも知れない…)

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 後半のシュート数は栄6、作陽が1。たった1回のチャンスをものの見事に決めた作陽が苦しみながらも勝利してベスト8進出を決めたこのゲーム。前半、後半で全く違う試合展開となり、それぞれのカラーを見ることが出来た試合だが、「ゲームをコントロールする」という部分で、栄にはまだチームとしての歴史、経験が足りないことを感じさせるゲームだった。作陽は1人減れば、減った戦い方を実戦することが出来た。しかし栄は1人すくない相手に対して、効果的な「引き出し(攻め方)」があまりにも乏しかった。

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 魅力的な攻撃力を魅せてくれた栄だが、勝負に「勝つ」にはまだ青かったような感じである。だが、この日のような、ある意味屈辱的な敗戦は、絶対に秋以降に向けて大きな経験になることだろう。今大会は開催県でもあり、出場枠が「3」あったが、冬の選手権は「1」しかない。そんな狭き門を勝ち抜くためにも、この大会から得たもの、出来なかったことをよく分析してリスタートを切ってもらいたい。

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2008年8月13日 (水)

今日はザスパ草津のサテライトリーグ公式戦の日です

本日の16時から、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園「補助」陸上競技場にて
2008Jサテライトリーグ Cグループの公式戦
ザスパ草津 vs 浦和レッズの試合が行われます。

 さて、前回7月13日に行われた本白根第三グラウンドで行われたサテライトリーグ・水戸ホーリホック戦は、年に一回の草津開催と言うこともあり、極力U-23の選手でチーム構成しましたが、今回はこれまでどおりトップ控え+U-23という混成軍の形になると予想されます。

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 ただ、ザスパとサテライトリーグといえば、2005年から下部組織(チャレンジャーズチーム、U-23)の選手たちの実力を発揮する、大切な場所という捉え方が強く、トップの試合同様に熱のこもった試合を見せてくれております。まあそんなこったで、本日の試合も注目できる一戦となりそうなので、簡単にスタメン予想と注目選手などを挙げていこうと思います。

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 だいたいこんな感じかな?というスタメンになりそうです。ただ、今月からザスパに加わった都倉はもしかすると出番があるかも?です。さて、注目して欲しい選手では「全員」と答えたいところですが、私的にイチオシしたいのは木下伸二くん。ザスパ草津U-18生え抜き選手で、ザスパの「カカ」と呼ばれる木下くん。昨年も高校生ながらサテライトリーグには出場していましたが、今年から本格的に参戦となっております。当初はまだ体の線が細かったのですが、最近はすっかり良い体に成りつつあります。

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 現在は左サイドバックに固定されていますが、元々攻撃的センスが高いのでMFとして将来的にはやっていける選手です。トップのテラが初年度から生え抜きならば、この木下君もチーム初の下部組織からの生え抜き選手。チームの歴史を作っていく時にはやはり「生え抜き」は必要だし、シンボルとなっていくので、テラにしても木下くんにしても、どんどん活躍して欲しいと思います。

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 あとこの他には、有村直紀と有薗真吾の「アリ・アリコンビ」のセンターバックにも注目です。有村は草津2年目で、かつてはセレッソ大阪に所属してた「プロ選手」であり、潜在能力は抜群。そして有薗は福岡大学卒の即戦力CB。当初は成田や富田などがセンターバックとして試されたが、現在は「アリ・アリコンビ」が不動の布陣になっており、かれらの働きにもぜひ注目してください。

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 また、多数のブログや掲示板で注目される選手として、慶応大学サッカー部キャプテンだった富田賢や、イガグリ坊主の成田憲昭の名前も良く挙がります。確かに富田くんは右サイドバックのレギュラーとして頑張っておりまして、可能性を感じさせてくれる選手の一人です。成田くんは基本的にセンターバックなのですが、試合では劣勢時におけるパワープレー要員としての起用が多く、それがなぜか的中することもあり、本業とは違うところで注目されています。ただ、彼に関しては出来れば本職のディフェンスで評価してあげたいですね。

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 まだまだ紹介したい選手はいますが、長くなりそうなので簡単にあと数名ご紹介します。すでにトップチームには登録されている荒田雅人。攻撃的MFとFWのどちらもこなせるアタッカーで、チームには数少ない「ファイター」タイプの選手。小兵ながら、トリッキーな動きで相手を翻弄するFWの藤崎武馬。彼も有村同様2年目で、小さい体であることを、動きでカバーしようと必至に工夫を重ねており、今年は大きな成長の跡を感じられます。

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 しかし問題点もありまして、今年のU-23は中盤の底でゲームを作れる選手が不在で、練習試合などでもその部分が毎回ネックになって、木村コーチからカミナリを落とされています。本来、3年目の福島祐太郎が入るのですが、怪我が長引いており、残念ながらこのポジションはトップからの助っ人?の秋葉信秀と金谷生仁が入りそうです。あと、トップからU-23行きを命じられてしまった岩田正太ですが、一時の悩み多きストライカーから、なんとか脱皮しそうな気配を見せており、先日の試合に引き続き、2試合連続で得点を挙げられるか注目したいところ。

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 とりあえず、働きながら頑張っているU-23の選手たちの晴れ舞台の日なので、ぜひ、見に来れる方は熊谷まで来てくれると選手たちも喜ぶと思います。多くの人が見に来てくれることを祈っておりますよ。

2008年8月12日 (火)

JFL後期7節 流通経済大学vsカターレ富山

ちょっとインターハイレポはお休みで
JFLのお話ということで
JFL後期7節 8月10日(たつのこフィールド)
流通経済大学 1-0 カターレ富山

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ご存じの方もいらっしゃいますと思いますが
7月12日に発売されましたJ'sサッカー Vol.17で
一旦休刊となりましたが、年末に季刊誌として出るとのこと(らしい)

まあ、そんなこともありまして、JFLの方も取材を続けておりまして
日曜日は竜ヶ崎に流通経済大学のホームゲームへ行ってきました。
で、流経と相対するのは、今季からYKK APとアローズ北陸が合併して
Jリーグ入りを目指すこととなったカターレ富山なんですが
実は今季カターレ富山を見る機会が一度もなく、
この日が「噂のカターレ」の試合を始めて見ることになりました。

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でも正直なところ、この日は流通経済大学の方に注目していました。
関東大学リーグ前期が終了しており、トップチームの選手も
JFLチームに合流するということもあったので、
J準会員のカターレとはいえ簡単に勝てるわけはないな…と

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 さて、メンバー表を見ると加藤広樹、宮崎智彦、三門雄大、楠瀬章仁といった関東大学リーグでもレギュラーをはる選手も加わっており、トップ+JFLの合同チームとしてJ準会員チームに挑んできた。そして中野監督は、これまで採用してきたボックス型中盤の4-4-2の応用である、2バックの攻撃的システムを敢えてカターレ相手に用意してきた。

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 しかし、相手は今季Jリーグ入りを目指すチームであり、2バックシステムはやはり厳しく、結局のところ4バックの形を取らざる得ない状況となってしまう。カターレのボランチ、16番の景山が厳しいチェックと早いボールのチラシで攻守にわたって大きな活躍を見せる。競り合ったボールのセカンドを、ことごとく景山に奪われ、流経はまったくといっていいほど形を作れない。

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 試合を圧倒的に有利に進めながらも流経のセンターバックコンビである、加藤広樹と比嘉祐介が素晴らしい活躍を見せ、カターレ攻撃陣の猛攻を紙一重のところで食い止める。192cmと恵まれた体を持つ加藤に対して、1年生の比嘉はなんと168cm。流経柏で全国優勝を経験したときには、攻撃的左サイドバックとして力を発揮したが、大学に入ると中野監督も、大平ヘッドコーチも高い身体能力に、抜群のカバーリングに可能性を感じて、彼をセンターバックにコンバート。そして、そのポジションをソツなくこなしてしまうところはさすがである。

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 苦戦しながらも前半をスコアレスで終えた流経。ハーフタイム時の控え室では監督、コーチから「相手の早い出だしに対してこちらも早く仕掛ける、チャレンジすること」と指示が出された。さらに監督が「前半はセルフジャッジでプレーを止めることがあったが、笛が鳴らない限りプレーオンなので、必ずプレーを止めないこと」と強い口調で語り、「おまえたち、プロになりたいんだろ?だったら世界標準のジャッジとプレーを思い出してやろう」という言葉で選手を送り出した。

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 後半に入っても基本的にカターレペースは変わらなかったが、前半よりも効果的な攻撃が流経に生まれだしてくる。自主的に選手がポジションどりを工夫することで、カターレに対して対応しだしてきたのである。だが、カターレにとってもこの試合は絶対に負けられない試合だった。前日の試合で横河武蔵野が栃木SCに勝利したため、カターレは勝たなければ5位に転落してしまう。準会員チームとしては、最終順位ではなくとも、4位と5位というたった一つの順位差だが、メンタル的な部分で大きな違いとなっていたので。

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 流経も前半に比べてよくなったが、カターレは「何が何でも勝つ」という意識の下、2トップの長谷川、石田に中盤の4人全員が波状攻撃をしかけ、何とも決定機を迎える。だが、この日はゴールが激しく遠く、どうしても得点を奪うことは出来ない。このままドローか? と思われた86分。流経がゴール前でFKのチャンスを得る、キッカーの宮崎が左足から繰り出した一撃は、見事な放物線を描いてカターレゴールに吸い込まれていった。あれだけ攻めたてていたカターレが、たった一発のFKの前に敗れ去ってしまった。

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 決してカターレの試合運びが悪かった訳ではない。フィニッシュまでの組み立ては見事であり、あとは決定力と運だけだったかもしれない。確かにこの日、カターレは敗れてしまったが、自分たちがやってきたサッカーはまちがってはいないので、自身を持って続けて欲しいと感じた。楚輪監督もシーズン当初から「優勝」とは一度も発言してはいない。あくまでも最終的に「4位以内」が目標と言ってきた。残り10試合となったが、現在4位の横河武蔵野との勝ち点差はわずか「1」。焦らずにじっくりと自分たちのサッカーができれば、おのずとカターレは4位以内に入るであろうという内容は、この日の試合の中で十分に見せてくれたと言えるだろう。

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 さて、この日の流経は総括すると、「苦しい試合だった」ということになるだろう。だが、苦しい中でも守備陣が安定した力を発揮して、最後の粘りに繋がったと考えられる。また、トップ+JFLという初めてに近いメンバー構成で戦いながらも、チームとしてまとまって試合に入ることができ、さらには自分たちの判断でポジション修正ができるといった点には、選手個々のレベルの高さが窺い知れる。今年のJFLチームの主力に躍り出いる、流経柏出身の1年生たちが見せるポテンシャルの高さは、今後の流経の躍進を多いに期待させるものだった。

 最後にこの試合で非常に残念だったことがあるのだが、それはレフリーのジャッジである。両チームの監督やコーチからも不満の声が上がっていたが、観客席からもレフリングに対してのヤジが飛んでいた。主審は途中までよかったが、スタンド側のラインズマンのありえない態度が、主審の冷静さを欠くことに成ってしまったかもしれない。目の前で繰り広げられていたはずのプレーなのに、どちらのスローインがジャッジ出来ない副審。私も目の前で見ていたのだが、その副審、実はプレーをちゃんと見ていなかった。1回だけならまだ許せるが、コーナーキックの判定を含み、4回も見落としをして、さらには最終ラインに追いついていないという、かなりアリエナイ副審さん。

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 まあ、長くなってしまいましたが、日本の3部でもおもしろい試合はたくさんあるので、ぜひ、会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
 この日のカターレのように、Jを目指すチームもあれば、流経のように「Jを目指す選手を生み出したい」チームもあり、JFLというのはいろいろな立場のチーム同士の試合が見られる、非常に見応えのあるりーぐだと思いますよ。試合後にはやはり両監督から愚痴が飛び出しましたが、選手は世界基準を目指して成長しているのに、レフリングは世界基準とはほど遠いレベル。そして、選手 の成長と審判の成長のベクトルの違いを大いに感じさせてしまった試合でもありました。世界基準ではなかく、「オレ様基準」と言って方がいい感じ。よく、 J1で「誤審だ!」とかよく言われますが、JFLや地域リーグはもっと酷いです。今、日本サッカー協会は将来的に、日本のリーグを秋春制にしたいなんて 言っていますが、そんなことを決めることよりも、レフリングの質を高めることの方がよっぽど先決だと思いますが、犬飼新会長氏はどう思っているのでしょう かね…。

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