« 天皇杯2回戦 流通経済大学 vs ソニー仙台 | トップページ | 天皇杯3回戦 湘南ベルマーレ vs 松本山雅FC »

2008年10月14日 (火)

天皇杯3回戦 ザスパ草津 vs 徳島ヴォルティス・セカンド

天皇杯3回戦 敷島サッカー・ラグビー場
ザスパ草津(J2) 2-0 徳島ヴォルティス・セカンド(徳島県)

◆Jリーグの下部組織が挑んだ一戦
J2勢にとって天皇杯初戦となった3回戦。ザスパ草津は徳島県代表の徳島ヴォルティス・セカンド(以下徳島セカンド)を、ホーム・敷島に迎えて戦うこととなった。同じくJ2の徳島ヴォルティスの下部組織にあたり、JFLの下にあたる地域リーグ(四国リーグ)で戦っている徳島セカンド。元Jリーガーも在籍するが、現在は全員アマチュア選手として、トップ昇格を目指している選手が集まっているチームである。

◆チャンスを与えられた控え選手
さて今季のザスパだが、第3クルーに入って失速して「J1昇格」という目標は厳しくなったが、確実に成長した姿を見せており上位進出はまだ可能な位置につけている。そして植木監督はこの天皇杯で、過去の最高成績であるベスト8以上を目標に設定したのだった。そして迎えたこの徳島セカンド戦は、相手が2つ下のカテゴリーということもあり、ベテランや主力に休養を与えて、普段出番の少ない選手たちがスタメンに顔を連ねることとなる。

◆思い出のピッチに立つ
しかし、せっかくのチャンスをもらった選手達が、まったくと言っていいほど精彩を欠いたプレーに終始してしまう。逆に徳島セカンドの選手達の方が「絶好のアピールチャンス」と捉えて、消極的なザスパの選手を尻目に、積極的な姿勢を見せつけて互角以上の展開を披露する。そんな徳島セカンドの選手の中に、この「会場」での試合を楽しみにしていた選手がいた。ザスパの下部組織にあたる「チャレンジャーズチーム(現ザスパ草津U-23)」に所属し、草津町の奈良屋旅館で働いていた中村亘である。

01nakamura

◆古巣相手に成長を見せる
今から2年半前、チャレンジャーズチームの最終セレクションが行われたのもこの会場だった。そして彼に合格を与えたチャレンジャーズチームの監督であった佐野達(とおる)氏は、トップチームのコーチとしてベンチ入りしていた。そんなこともあり、「成長した姿をぜひ見せたい」と気持ちの入っていた中村は、都倉賢、後藤涼の2トップに仕事をさせず、佐野コーチやサポーターにも進化した姿を見せてくれたのだった。

◆指揮官の苦しい決断
さて試合に戻るが、もどかしい展開に終始するザスパに対して、徳島セカンドはフラットなラインを形成して、引くことなく真っ向勝負で向かってくる。さらに坂井優介や武田侑也から繰り出される素早い展開と、諦めない気持ちを全面に押し出したプレーで、「もしや?」を思わせる試合を披露する。観客だけではなく、指揮を執る植木監督も我慢の限界を超えてしまう「情けない試合」を展開するザスパ。本当は「使いたくなかった」島田祐介と高田保則の2人を後半開始から投入することを決断する。

02sakai

◆「らしさ」を取り戻したザスパ
すると後半のザスパは、前半と全く違うザスパになり、徳島セカンドを圧倒。「サイドを起点とする攻撃が少なかったから、その点を頭に入れていた(高田)」、「パスばかりではなく、個の突破からタメを作りたかった(島田)」というコメントを残したとおり、2人が入ってからは普段のリーグで見せるパスサッカーを展開しだしたのである。やっと「Jリーグvs地域リーグ」という構図の試合となり、「後半」は危なげなく徳島を押さえて2-0で勝利して4回戦の柏レイソル戦に挑むこととなった。

04takada

◆解消できない問題点
しかしである。島田がいなければ攻撃の形を作れないという、ザスパが抱える「問題点」がいまだ解決されていないことを露呈してしまった。また、鳥居塚をはじめとするベテランがいないと落ち着いた試合ができないのも問題である。植木監督は会見で「今後に不安を残す試合となってしまった…」と、感想を述べたあと、こうも続けた。「チャンスがないという選手に、チャンスを与えてもこんな出来ならば、他の選手を捜すだけである」と、冷たく突き放したのだった。今日の試合を終えて、控えに甘んじている選手達は、今やらなければ「来季はない」というぐらい決意が必要ではないだろうかと大いに感じさせた。

03shimada

◆大きな手応えを得た徳島セカンド
勝っても厳しい現実を突きつけられたザスパだが、徳島セカンドの選手達の試合後は皆、明るい表情をしていた。「後半はまるで別のチームのようで何もできなかった」とキャプテンの村上淳一は語ったが、上のカテゴリーのチームとの対戦は大きな経験となると語った。また、この天皇杯の2回戦で四国リーグの最大のライバルであるカマタマーレ讃岐を破っており、精神的に一回り大きくなって10月19日に控えたリターンマッチに挑むことが出来るだろう。

昨年はJFL昇格を目指した地域決勝大会に進むも、惜しくも敗れてしまった苦い経験もあるが、この試合で得た「手応え」を胸に秘め、今年こそ悲願のJFL昇格を達成して強いと願うのだった。

« 天皇杯2回戦 流通経済大学 vs ソニー仙台 | トップページ | 天皇杯3回戦 湘南ベルマーレ vs 松本山雅FC »

天皇杯」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/176307/42790079

この記事へのトラックバック一覧です: 天皇杯3回戦 ザスパ草津 vs 徳島ヴォルティス・セカンド:

« 天皇杯2回戦 流通経済大学 vs ソニー仙台 | トップページ | 天皇杯3回戦 湘南ベルマーレ vs 松本山雅FC »