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2008年10月15日 (水)

天皇杯3回戦 湘南ベルマーレ vs 松本山雅FC

天皇杯3回戦 平塚競技場
湘南ベルマーレ(J2) 1-1(PK4-5) 松本山雅FC(長野県)

◆3回戦唯一のナイトゲーム
 天皇杯3回戦で、唯一ナイトゲームだったこの試合。J2の湘南ベルマーレに挑むのは、北信越リーグの松本山雅FCであり、「雷鳥はJ頁(頂)を目指す」を合い言葉に、急速に力を着けてきたクラブだ。地域リーグでありながら、Jクラブのサポーターに負けない熱いサポーターを擁し、「頂」に向かう松本山雅。そんなクラブにとり、初のJクラブとの真剣勝負できる場であり、普段のリーグ戦では体験できないナイターも体験できる最高の舞台となったのである。

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◆湘南の戦い方を知る男
 正直なところ、湘南はこの試合に向けて特別な用意をしていた訳ではない。しかし山雅には湘南の「戦い方」を知る選手がいた。それこそ、昨年まで湘南に所属していた柿本倫明だった。昨年、北信越リーグを征し、JFL入り目前まで進みながらも、あと一歩のところでチャンスを逃した松本山雅。今年は柿本をはじめとした大型補強を行い、悲願に向けて驀進するはずだったが、リーグ戦では思わぬ苦戦の連続で、まさかの4位に終わり、この試合の1週間後から行われる全国社会人大会(以下全社)に最後の望みを繋ぐ中で試合を迎えていた。

◆楽しみな試合
 リーグでは不振が続き、4位が確定してから皮肉にもチームはまとまりを見せ、この試合まで好調を維持してきた。そんな中での天皇杯3回戦は、格上との対戦ではあるが、大事な大会(全社)を前にして、やはり「どんな相手でも負けたくない」という思いが選手の中で強くなり、高いモチベーションを保ちながら試合に挑むことになった。そして古巣との対戦となる柿本とっても楽しみな試合であり、どうしても「一泡吹かせてやりたい」と思っていたのだった。

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◆本気のメンバー
 迎えた試合だが、湘南のスタメンを見ると「本気のメンバー」が顔を揃えていた。数名の入れ替えはあったものの、斉藤俊秀やジャーン、加藤望、原竜太、石原直樹などの名前があり、山雅の吉澤監督も「ウチとの対戦にあのようなメンバーを出してくれて本当に嬉しかった」とコメントしている。さてゲームだが、湘南相手に山雅は一歩も引くことなく真っ向勝負を挑んでくる。ともに4-4-2のガチンコ勝負となったこの試合。サイドの攻防に勝った方が勝利を掴むと予想された試合は、互いに攻め合う一進一退の攻防で幕を開けた。

◆「恩返し弾」で息を吹き返す
 どちらがペースを握ったと言い難かった序盤の23分、やはりサイドに開いた加藤からチャンスが生まれる。加藤から上がったクロスをジャーンが頭でそらし、原がそれを頭で押し込んで湘南が先制する。だがここで山雅は意気消沈することなく、すかさず反撃に出る。この3分後に阿部のオーバーラップからチャンスが生まれ、ゴール前で待っていた柿本が合わせてすかさず同点に追いつく。まさに「恩返し弾」となったこの一撃でチームは勢いづき、サポーターのボルテージも最高潮を迎えることとなる。

◆必死のディフェンスでゴールを守る
 振り出しに戻ったこの試合。両者とも持ち味を出し合い、見応えのある好ゲームを繰り広げる。しかし、時が経つにつれてJリーグと地域リーグの差も生まれ、湘南の攻撃に押し込まれる時間帯が増えてくる。だが昨年のJFLベスト11のGK原裕晃を中心としたディフェンスラインが集中を切らさず、選手全員で声をかけあって、何度も訪れるピンチを凌ぎきる。また、守るだけではなく2列目の今井昌太が再三素晴らしい飛び出しを見せ、湘南ゴールを何度も脅かす。

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◆意地と意地のぶつかり合い
 90分を終えても1-1のまま、遂に試合は延長戦に突入する。終盤に守る時間帯の増えた山雅にとり、厳しい延長戦となるはずだったが、12番目の選手であるサポーターの声援が選手に特別な力を与えることとなる。延長戦に入っても、絶体絶命のピンチを迎えるが懸命のカバーリングでゴールを守り、柿本もカウンターから絶好機を作り出す。しかし、湘南のGK金永基(キム・ヨンギ)も好セーブを見せ、意地でも得点を与えない。両者の意地がぶつかり合ったこの試合は、120分戦っても1-1で終了し、ついにPK戦へと突入した。

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◆カップ戦ならではフィナーレ
 湘南の先行で始まったPK戦は、一度は決めれば勝利という場面まで行くが、運も山雅に味方したのか5人目、6人目が連続して失敗し、山雅の6人目が決めれば勝利という場面になる。ここで最後のキッカー・小澤修一が冷静に右隅に決め、天皇杯ならではの番狂わせを達成し、「松本山雅ここにあり!」を知らしめる瞬間となった。静まりかえるホーム側に対して、優勝したかのように喜びの声を上げるアウェー側。カップ戦ならではのおもしろさが詰まったこの試合の結末も、カップ戦(天皇杯)らしい形で幕を閉じたのだった。

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◆厳しい戦いと「頂」への挑戦
 喜びに包まれた山雅の選手達だが、試合後は至って冷静であった。確かに格上に勝った喜びはあるが、彼らの真の目標は1週間後に迫った全社なのだ。最低でも決勝戦に進まなければならない山雅にとって、この日は勝ったことよりも、チームが一つになって声を出し合い、最後まで走り抜けたことの方が大きかったのである。こうして最高の形で来週の大会に挑むことになった松本山雅。この勢いを持続して、全社も勝ち抜いてもらいたいものだ。そして、日本の最高峰のリーグである「J1」との対戦となる天皇杯4回戦は、最高の結果を出してスッキリと挑んで欲しいと願うのだった。

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