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2008年9月18日 (木)

天皇杯1回戦  阪南大学 VS FC岐阜SECOND

明日に繋がる敗戦

天皇杯1回戦@長良川球技メドウ
阪南大学 1-0 FC岐阜SECOND

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 この日の長良川メドウには、J2リーグのFC岐阜と同じユニフォームの選手たちがピッチに立っていた。しかし、彼らはJリーガーではなく、岐阜県リーグ・2部で戦うアマチュア集団の、FC岐阜SECONDの選手たちである。2年前にFC岐阜Bチームという名前でスタートし、現在はサテライトチームという位置づけのもと、トップで通用する選手の育成と、4年後に迫った岐阜国体に向けての強化指定チームという、2つ顔を持ち合わせていた。

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 全員がアマチュア契約のため、昼間は通常の仕事に就いているSECONDの選手たち。そんなチームの中には、元はトップチームに所属していた選手や、ほかのJクラブでプロだった選手なども含まれている。東海→JFL→J2とチームのカテゴリーが上がるにつれて、選手の入れ替わりが激しくなって行く中で、トップからもれてしまった選手たちの「受け皿」という側面も担っていたのだ。

 また、背番号10を背負っている元愛媛FCの中村豪も、今はアマチュア選手として昼間はトップチームのマネジャーとして働き、夜は選手として練習に励んでいる。普段のリーグ戦(県2部)では、土のグラウンドでの試合が多いSECONDチームにとり、この天皇杯は久しぶりに良い環境で出来る試合であり、自分たちの力をアピールする絶好の舞台でもあったのだ。

 さて、今回の天皇杯出場チームの顔ぶれを見ると、シードチーム以外の大半はJFL、大学、地域リーグ所属となっている。それ以下のカテゴリーから、大会出場権を得たのは、青森山田高校(青森)と大津高校(熊本)、県リーグで戦う玉穂FC(山梨)、海南FC(和歌山)、FC岐阜SECOND(岐阜)の5チームしかない。特にSECONDチームはFC岐阜の下部組織ではあるものの、大会出場チーム中、最も低いカテゴリー(日本の7部に相当)から出場権を得たチームでもあった。全て格上との対戦となる天皇杯初戦の相手は、総理大臣杯で準優勝を飾っている大阪府代表の阪南大学に決まった。

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 この阪南大だが、近年は多数のJリーガーを輩出しており、関東の流通経済大学と並んで大学サッカー界に新風を吹き込んでいるチームの一つだ。夏の総理大臣杯では準優勝に終わったが、今季の関西大学リーグでは首位を独走し、その実力は高く評価されている。サンフレッチェ広島ユース時代、平繁(現広島)とツートップを組んでいた木原や、浦和レッズが獲得を目指す野田などのタレントを擁し、激戦区大阪を勝ち抜いてきた阪南大。通常は学生vs社会人の対戦といえば、学生が社会人の胸を借りるのが一般的だが、Jクラブのスカウトも注目する強豪校ゆえに、アマチュアのFC岐阜SECONDがどこまでやれるのかに期待が集まった。

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 注目されたプロを目指すアマチュア軍団だが、相手は今年の大学界きっての強豪校であり、大方の予想では阪南大有利の予想がされていた。そして試合はその予想どおり、阪南大自慢の攻撃力で相手を圧倒。木原、小寺が次々と左サイドを攻略し、SECONDの右サイドバックの鈴木は守備に奔走することとなる。阪南は前線の動きだけではなく、ボランチの位置に入った中濱の動きも素晴らしく、完全にゲームを支配していた。SECOND自慢の攻撃陣である、松江、櫻田、中村らの動きは影を潜め、守備陣の踏ん張りだけが目に付く展開となってしまう。

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 だが、プロ予備軍であるSECONDも黙ってはいない。前半こそシュート3本と完全に相手攻撃陣の気迫の前に押し込まれたが、後半に入ると両サイドバックのオーバーラップも生まれ、徐々に試合の流れを取り戻す。だが、SECONDにとって、「これはいける」と思った瞬間に落とし穴が待っていた。76分になんでもないクロスの処理をGK曽我部巧がファンブルしてしまい、これを詰めていた木原が蹴りこみ、痛恨の失点を献上してしまう。この後、SECONDは攻撃の選手を次々と投入するものの、阪南の落ち着いた試合運びの前に同点弾を奪うことが出来ず、全国の舞台での1勝をあげることなく大会を去ることとなった。

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 試合後、自らのミスに責任を感じ、涙に明け暮れていた曽我部の姿が印象的であった。しかし、この日会場に訪れたサポーターは、曽我部を責めることなく、力強く選手全員を励ますのであった。

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 彼らサポーターにとってSECONDの選手たちは、トップの選手が忘れてしまった「ひたむきさ」を常に持ち続けており、なんとも応援したくなる選手たちなのだ。挫折も経験した雑草軍団であるSECONDチームの天皇杯はここで終わってしまったが、彼らにとってこの90分間は大きな経験となったはず。この先には大分国体出場や、残されたリーグ戦が待っている。そして2012年に行われる岐阜国体へと繋がっていくSECONDチームは、休む間もなく進化を続けることだろう。

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