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2008年9月 5日 (金)

インターハイ準々決勝・市立船橋 vs 作陽高校

インターハイ準々決勝・埼玉スタジアム第二
市立船橋(千葉第二) 4-0 作陽高校(岡山)

◆点差ほどない両者の実力

 名将と呼ばれた布監督が去り、あとを引き継いだ石渡監督の時代となっても名門の名に恥じない成績を残しつづけている市立船橋高校。これに対して、かつては「サッカー後進地」のひとつだった岡山において、情熱のすべてを注ぎ込み、全国有数の強豪校に成長させた野村監督率いる作陽高校。組み合わせが決まったときから、両指揮官とも口にこそださないが、ベスト8での対決を意識したカードが予想通り実現したのだった。

 今季のプリンスリーグでまさかの10位という順位で終えたことから、例年に比べ「今年は弱い」とも言われた市立船橋だが、大会に入ると順調に勝ち上がり、新しいメンバーたちは次々と自信を深めていた。特に大会前にはレギュラーではなかったGK若尾直道の成長は目を見張るものがあった。さて、作陽高校だが、前の埼玉栄戦は得点こそ1-0で最小スコアで勝利したが、退場者を出しながらもしっかりと勝利をもぎ取るところは、市船同様試合巧者ぶりを感じさせ、この日の対戦を非常に楽しみなものにしていた。

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 だが試合は予想もしなかった展開を見せてしまう。作陽はこれまでワントップに起用されていた辻本ではなく、1年生の岩崎優を起用するという奇策にでる。それでも序盤はボランチの亀井拓実、原田顕介の出だしが良く、ボールを優位に回し、ワントップにもボールが良くはいるのだった。しかし、10分以降市船が試合に慣れ出すと、完全に流れが相手のものとなってしまった。作陽の生命線である亀井のポジションに鬼プレスがかかり、全くと言っていいほど形が作り出せなくなってしまう。

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 こうして、作陽にとってもどかしい時間が続いた後に、注意しなければならない、笈川大樹、中村充孝にいいようにやられてしまい、前半だけで3点のビハインドを背負ってしまった。苦しい前半を終えた作陽イレブンに対して、野村監督は「3点差を跳ね返すのは無理、とりあえず後半だけは勝って終われ」と檄を飛ばし、選手をリラックスさせてピッチへ送り出した。

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 後半にはいると3点の貯金がある市船は、前半のような鋭いプレスは影を潜めていた。作陽は前半以上によい攻撃の形を作り出すのだが、伝統とも言える市船の堅い守備を前にしてゴールを奪えない。いい展開を作り出すが、バイタルエリアでは簡単に自由にさせてもらえず、ボランチが放つミドルシュートばかりとなってしまう。まったく形を作れなかった前半、形は作れるがフィニッシュに持ち込めない後半。1点の重さが身にしみてきた瞬間に、またも作陽は手痛い一撃を浴びてしまった。

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 後半17分、たった1本の縦パスで中村が抜け出し、GKをも交わしてなんなく無人のゴールに流し込み、試合を決める4点目をゲット。完全に勝負ありとなってしまった。結果的に0-4で敗れてしまった作陽だが、やろうとしていたサッカーは非常にわかりやすく、美しいものだった。しかし全国を勝ち抜くにはまだ、タフではなかったということだろう。パスのスピード、戦術理解度などは市船に劣っているとは全く思えない。しかし大舞台での経験値という点では市船に「一日の長」があったと言えよう。

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 もし、全日本ユースや冬の選手権で再戦があっても、この日のような点差になることはないだろう。決して作陽は弱くはなかった…、4失点負けという屈辱が必ずチームを強くしてくれと感じるのだった。そして去り際に野村監督は「また一度壊して作り直して出直します」と語って会場を後にしたのだった。野村監督がそんな一言を残した裏側で、サッカー協会の一員として会場に訪れていた布・前監督がにこやかな笑顔で石綿監督と「やったね」と一声かけて握手を交わした姿が印象的だった。

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