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2008年9月 9日 (火)

2008北信越リーグ最終節 AC長野パルセイロ vs 松本山雅FC

2008北信越リーグ最終節@南長野競技場
AC長野パルセイロ 1-0 松本山雅FC

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今年も最終節まで優勝争いがもつれた北信越リーグ。
最終節の組み合わせは
AC長野パルセイロ(1位:勝点32) vs 松本山雅FC(4位:勝点24)
ツエーゲン金沢(3位:勝点27) vs ジャパンサッカーカレッジ(2位:勝点31)
となっており、パルセイロは勝てば文句なし、引き分け、負けでもJSCの結果次第では優勝という中で迎えた最終戦。

 しかし、この最終戦のカードは組み合わせの皮肉から、なんと「3番勝負」という形で実現することとなってしまった。8月17日・全国社会人大会・北信越予選決勝、8月31日・天皇杯長野県予選決勝と続き、どちらも2-1というスコアで1勝1敗となっていた。山雅からすれば、この試合はリーグ戦の順位とかではなく、プライドを賭けた試合であり、パルセイロにとっては「ダービー」とかではなく、とにかく「勝利」を求められる試合となった。

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 先週はやや様子見という感じのスターティングメンバーだったパルセイロだが、やはりこの試合にはバドゥが考えるベストメンバーを揃えてきた。対する山雅は攻撃にアクセントをつけられる川田和弘が出場停止であり、若干の不安を持ちながらのスタートとなった。前半に風上を選択した山雅のキックオフで始まった試合だが、川田不在が影響したのか、風上の利をまったく有効に活用できないままに試合が進む。

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 いや、川田不在が決して原因ではなかった。先週とはうって変わって素晴らしい出だしを見せたパルセイロ。何よりもこの日は貞富信宏が輝いていた。相手の起点を押さえるだけではなく、自らも積極果敢に攻撃参加して、何本も惜しいミドルシュートを放っていく。またFWの一角である佐藤大典はストライカーとしてではなく、for the teamの動きでチームに貢献。とにかく前線からの守備に奔走し、労を惜しまない動きが山雅の攻撃を前から食い止めていた。

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 躍動感あふれる動きを見せる3トップ。積極性を見せる貞富。バランサーとして中盤を支える土橋宏由樹。そして最終ラインで相手を完封した籾谷真弘、丸山良明、小田竜也の3バック。ほぼ完璧といえる内容で前半を優位に進めたパルセイロは、42分、小田のロングスローをキープした藤田がペナルティ内で倒されてPKを獲得。そして土曜日の練習後、居残りでPKの練習をしていた要田勇一がスポットに立った…。重くのしかかるプレッシャーもあったが、チームを昇格させるためにやってきた彼は、迷わず右足を振り抜いた。絶対に「勝つ」という願いを込めたボールはゴール左隅に吸い込まれ、待望の先制点がパルセイロにもたらされた。

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 満員(3385人)の観衆を飲み込んみ、ほぼパルセイロサポーター一色となった南長野競技場は、応援のヴォルテージも一気に最高潮に達した。しかし、反対側に陣取った山雅サポーターも逆転を信じて大きな声でサポートを続ける。正直、ここまで会場全体が熱くなる地域リーグの試合が他にあるだろうか? 実力のKyuリーグ(九州)、人気「だけ」の北信越と言われてきたが、2001年以降決勝リーグに進めず、枠を「2」にすることのできない北信越はそういわれても仕方がない部分もあった。だがこの日の盛り上がりを見せられて、そう簡単に言い切ってしまっていいのだろうか? パルセイロも山雅も苦しい3年間を過ごして、その間に年々チームは強くなり、そして地域の人たちの理解が大きくなっていた。勝った、負けただけではなく、地域に根ざしてここまで動員が出来るチームや試合が他にあるだろうか?

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 後半風上に立つパルセイロが、さらに試合を有利に進めるかと思われたが、全く逆の苦しい展開となってしまう。優勝だけを狙いながら4位という、不本意な順位が確定してしまった山雅。しかし、終盤にやっと本来のパフォーマンスを出せるようになり、この最終戦もしっかり勝って気持ちよく天皇杯、そしてこの先の全社に挑みたいという意志があった。前半は攻撃に絡めなかった坂本史生、阿部琢久哉、今井昌太が、次々とサイドを突破してチャンスを作り出す。試合の流れを奪い返し、まずは同点にしたいところだったが、籾谷・丸山・小田の3バックが大きな壁となって立ちはだかる。高さとフィジカルで勝る籾谷。ベテランらしい落ち着きと読みで相手の攻撃をシャットアウトする丸山が、バイタルエリアに簡単に進入させない。

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 優位な時間は続くが、シュートを打てない山雅。あれだけボールをキープしながらシュートは3本のみで、決定的だったのはCKからこぼれ球を矢畑智裕が放った1本だけだった。前半は素晴らしい出来を見せたパルセイロだが、後半は山雅の気迫と優勝へのプレッシャーから、いい試合とは言えない内容となってしまった。だが、そんな内容でもしっかりと無失点に抑えて勝ったことは評価に値するだろう。

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 昨年山雅のキャプテンだった土橋は、今年のチーム(パルセイロ)をこう振り返った。「去年も強かったが、一度悪くなってしまうと修正できなくなるところを見せていた。しかし、今年は常に一定のパフォーマンスを維持したり、修正ができるようになった」と語る。チームの強化すべき点をピンポイントで補強して、さらなる上積みを得た今年のパルセイロ。籾谷をコントロールして、若手の良さも引き出し、さらにベテランの読みで守備の安定をもたらした丸山。貞富の負荷を減らし、中盤のバランサーとして活躍した土橋。最後の最後で獲得した元Jリーガーのノグチピント。どれも見事な補強となったのだ。

 しかし、もう一つの補強も忘れては行けない。それは薩川コーチの存在である。フリューゲルス、レイソルなどで活躍し、現役を引退した後に指導者となり、今年からこのチームに加わった。イランやコスタリカで代表監督として指揮を執ったバドゥと選手の間に立つ潤滑油として抜群の働きを見せ、さらには守備面、メンタル面で選手たちの能力を飛躍的に向上させることに成功した。こんな補強を断行したフロントの「確かな目」が優勝に繋がったと言えよう。

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 結果的に前半に得たPKでの1点を守りきり、パルセイロが勝利して3年ぶり3度目の優勝を飾った。逆転優勝の望みが残っていたJSCだが、2-3でツエーゲンに敗れ今年も悲願達成はならなかった。こうして地域リーグ決勝大会にはパルセイロが北信越代表として挑むことになったが、JSCと山雅には「全社経由」での道がまだ残されている。

 この日だけではなく、今年4回行われた「信州ダービー」はどれも素晴らしい内容であり、素晴らしいサポートがあった。この戦いは北信越だけの戦いでは非常にもったいない。ぜひ、「全国リーグ」に戦いの場所を移して続けて欲しいものである。そう、パルセイロも山雅も揃ってJFLに昇格してほしいと願うのだ。

 互いから見れば絶対に負けたくない相手であり、時には「潰れてしまえ!」とも思うことがあるだろう。かつて山雅の指揮を執った辛島氏は、「長野県に2チームは無理なのでは?」というニュアンスの言葉を残したが、それに対しては私は疑問が残る。敵あってこそ、もうひとつのチームは伸びるもの。ライバルがあるから、成り立たないという理論はある意味、最初から勝負を捨てているようなものである。ライバルが間近にあるからこそ、互いに切磋琢磨して努力すればいいことなのだ。

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 どちらかひとつ…。ではなく、できれば両者とも上がってほしい気もする。JFL、Jリーグで「信州ダービーは凄いんだ!」というところをぜひ、全国に知らしめて欲しい。そしてパルセイロはまず、全国への挑戦権を獲得した。次は山雅の番と言えるだろう。そのためには、全社で優勝(もしくは準優勝)するしかない。山雅にとっても悲願であるJFL昇格には、5日連続の超ハードスケジュールを勝ち抜かなければこの先への道が閉ざされてしまうこととなる。だが、終盤に目の覚めた山雅なら、もしかして?を実現出来るかも知れない。

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そして全社の決勝戦で、今季5度目となる信州ダービーが実現したらいいなあ…、なんてことも考えてしまう訳でして(笑)

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最後にひとこと。
AC長野パルセイロ、優勝おめでとう!

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