インターハイ1回戦・矢板中央高校vs津工業
埼玉スタジアム第四グラウンド
矢板中央高校(栃木)5-3 津工業(三重)
◆またも美しき敗者となった津工業
高川学園に引き続き、冬の選手権でベスト4に進んだ津工業も大会初日に早くも登場した。選手権でエースとして大活躍した中野真人こそ、コンディション不良のためメンバー登録から外れたものの、国立のピッチに立った5人がスタメンに名を連ねていた。対するのはU-18日本代表候補の富山貴光を筆頭に、攻守のバランスに優れたチームに仕上がった矢板中央である。
ともに攻撃力が自慢のチームであり、前橋育英対野洲の試合同様に注目を集めた試合は、両者とも「看板」に恥じぬ「攻め合い」を見せてくれた。前半12分にエース富山を起点に先制点を奪った矢板だったが、その直後から津工業の圧倒的な攻撃力の前になすすべもなく沈黙する。ボランチの鈴木が起点となり、左右のスペースを蹂躙。特に左サイドの飯田裕之のプレーが冴え渡り、13分、17分、19分と立て続けに前田侑弥のゴールを演出。たった6分間の間に飯田—前田のホットラインだけで3点をあげ、試合の流れを決定づけたかに見えた。
※写真2:津工業の前田(左)は6分間でハットトリック達成させた
だが、矢板も試合を諦めない。前半のロスタイムに高橋佑樹が起死回生となる2点目を奪い、盛り上がった状態でハーフタイムを迎えた。ここで矢板の高橋健二監督は相手ボランチに対するケアを指示し、前半に鋭いキレを見せた津工業の飯田に対しては、ドリブル突破が魅力の湯澤洋介を投入して、戦局を優位なものにしようと手を打った。そしてこの策が見事に的中し、湯澤が飯田とのマッチアップを有利に進めると、完全に試合の流れは矢板に傾きだす。
※写真3:矢板のエースである富山。こちらも2得点2アシストと大活躍
40分にはエース富山の一撃で同点に追いつき、矢板の勢いは止まらなくなる。4分後には再び富山が決めて再びリードを奪う。60分にはトドメとなる5点目を叩き込み、試合の行方を決定づけるのだった。矢板の高橋監督としては3失点という結果に不満が残るものの、2点のビハインドをひっくり返しての勝利は「してやったり」といえるゲームであった。
対する津工業の藤田監督は「前半ロスタイムの失点が痛かった……」と切り出したが、ゲームに対しては自分たちの「らしさ」を出せたことをポジティブに評価していた。確かに5失点してしまったが、彼らが方向性を失わない限り、進化を続けることだろう。1・2年生も多いチームだからこそ、今後の成長に大いに期待したいものだ。
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