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2008年8月 8日 (金)

インターハイ1回戦・前橋育英vs野洲高校

しらこばと運動公園競技場
前橋育英(群馬)3-2 野洲高校(滋賀)

◆「攻撃的」の裏に潜む「もろさ」
 今から3年前、「セクシーフットボール」で頂点に立ち、高校サッカーの在り方に一石を投じた野洲高校。これに対して、これまでに数多くのJリーガーを輩出してきた「タイガー軍団」こと前橋育英高校。そんな実力校同士の試合がいきなり実現し、一回戦屈指の好カードと呼ばれたこの試合。最後まで固唾を呑むハイレベルな試合を見せてくれた。

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 開始直後から高いラインを保ち、連続攻撃を仕掛ける野洲。だがいきなり育英が狙いどおりの形から先制点を奪ってみせる。前半2分に相手のパスをカットして、裏のスペースにスルーパス。8番三浦からのパスを受けた西澤厚志が走り込み、あっさりと先制弾を叩き込む。攻撃的な野洲の最終ラインの裏には大きなスペースがあり、育英はそこを徹底的に狙う戦術を用いてきたのである。

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※写真2:先制点と3点目を挙げた育英の西澤。素晴らしい決定力を見せてくれた

 だが野洲も黙ってはいない。先制点を奪われても焦ることなく自分たちのスタイルを貫き通し、ダイレクトパスから次々とチャンスメーク。7分にはサイドチェンジからDFを振り切り、最後は6番上田が楽々決めて同点とする。だが13分にまたも裏をつかれて、ペナリティエリア内でファールを犯してPKを献上し、追加点を奪われてしまう。ポゼッションでは圧倒的に野洲なのだが、育英もボランチとディフェンスラインが連動してバイタルエリアに簡単には進入させない。攻める野洲、守る育英という展開だが、野洲が育英の術中にはまったといえよう。そして野洲にとって痛すぎる追加点が、前半終了間際にまたもカウンターから奪われてしまった。

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※写真3:U-17代表にも選ばれた坂本(右)この日はPKの1点のみで終わった

 前半終わって1-3というまさかまさかのスコアで、驚きの声もあがったしらこばと競技場。もう攻めるしかない野洲は、3バックに対しても攻撃の指示を出し、前半以上の攻撃を展開する。39分にはPKを獲得しこれをエース坂本一輝が冷静に決めて1点差に迫る。しかし追いすがられた育英も、疲れの見えだした中盤を次々と交代し、フレッシュな選手を送り込む。これで運動量が落ちることなく、野洲の攻撃に対して最後までプレッシャーをかけ続け、追撃を1点で抑えることに成功して、厳しい戦いを征するのだった。

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※写真4:大会優秀選手にも選ばれた潮入(中央)もっと見てみたい選手だった

 この日会場に集まった観衆にとっては、互いの持ち味が出た好ゲームだったかも知れない。だが近年の野洲の課題である、守備の不安定さは改善されてはいなかった。育英にしても攻撃はいいが、毎年見られる「もろさ」が顔を見せる場面もあって、反省点が残る試合であったことは間違えない。ただ野洲にとっては、良くも悪くも最後まで自分たちのスタイルを面留いていたこともまた事実。そして育英も、自分たちの良さを出しつつ、相手をしっかりと研究して勝つ方法を探し、それを実行出来たことは流石である。

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 高校サッカーにおいて、どちらのスタイルが正しいという答えはない。しかし、「トーナメント方式」という大会において、野洲サッカーは今、分岐点を迎えようとしているのかも知れない。魅力的であり、将来に通じる戦いとしては野洲が取り入れる方法論は間違ってはいない。だが、トーナメントにおいて、一撃必勝のスタイルの方が向いていることも事実。はたして冬に向けて野洲の逆襲はあるのだろうか? 山本監督は「1年を通してチーム育成を考えている」とコメントを残しており、秋以降にその答えがでるはずだ。

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※写真6:野洲・山本監督。秋以降にどんなチームに仕上げてくるのだろうか?

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